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トピックⅠ 退職後の社会保険
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従業員が退職する際に聞かれることの多い
「次の保険証はどこでもらえるのでしょうか」という問い合わせ。
退職する従業員が、どの保険に加入するかは
その方の働き方や収入の額によって変わってきます。
今回は、退職後の社会保険加入制度について確認していきましょう。
□ 退職後の社会保険
従業員であり
会社の社会保険(健康保険、厚生年金保険)
に加入しているときには
日本年金機構や健康保険組合(保険者)より
会社を通じて被保険者証(保険証)が
従業員や被扶養者の方に渡されます。
しかし退職する際にはその被保険者証は会社を通じて
保険者へ返還しなければなりません。
日本は「国民皆保険、国民皆年金」
(国民全員が健康保険や年金に加入する)制度を取っているため
退職後は次の保険者の保険や年金に加入する必要があります。
●健康保険に関する選択肢
(1)他社へ就職しそこで社会保険に加入する場合
→就職先で会社の健康保険に加入
(2)収入がなく家族の被扶養者になる場合
→家族が勤務している会社を通じて被扶養者として加入
(3)今まで保険に継続して加入
→任意継続被保険者となる
(4)(1)~(3)のどれにも該当しない場合
→国民健康保険に加入
●年金に関する選択肢
(1)他社へ就職しそこで社会保険に加入する場合
→就職先で会社の厚生年金保険に加入
(2)収入がなく配偶者の被扶養者になる場合
→配偶者が勤務している会社を通じて国民年金第3号として加入
(3)(1)~(2)のどれにも該当しない場合
→国民年金に加入
退職後にどうするのかによって選択肢が変わってきます。
なお、被保険者証は1人1枚です。
退職の際には、速やかに会社へ返してもらうよう
退職する従業員に伝えましょう。
□ 他社へ就職しそこで社会保険に加入する場合
就職する際は、就職先の会社で手続きを行いますので
その指示に従ってください。
会社が加入している保険者が
協会けんぽなのか健康保険組合なのかによって
添付書類が変わってきますので
会社の担当者に聞いてください。
年金も会社経由で厚生年金保険に加入することになります。
健康保険窓口:会社の担当部署
被保険者証の交付:会社の担当部署(保険者経由)
厚生年金保険窓口:会社の担当部署
□ 家族の被扶養者になる場合
次の就職先も特になく、収入がない、もしくは収入が少ない場合には
家族の被扶養者になれる場合があります。
被扶養者になる要件は
対象者の年間収入が130万円未満
(60歳以上または障害者は180万円未満)
+
被保険者の収入の2分の1未満であること
が原則となりますが、
要件や添付書類が健康保険組合によって違う場合がありますので
家族が勤務している会社の担当者に確認してください。
年金は配偶者の被扶養者となる場合は
国民年金第3号被保険者となり、
配偶者が勤務している会社で手続きを行います。
配偶者以外の方の被扶養者となる場合は、
ご自身で国民年金第1号の手続きをお住いの市町村で行います。
健康保険窓口:家族が勤務している会社の担当部署
被保険者証の交付:家族が勤務している会社の担当部署(保険者経由)
国民年金窓口:(配偶者)会社の担当部署
(配偶者以外)お住いの市町村
□ 任意継続被保険者になる場合
任意継続とは、
現在の健康保険の制度を退職後も引き続き使える制度です。
一度、被保険者証は返却して新しい任意継続被保険者用の
被保険者証を発行してもらいますが、今までの保険者から、
在職中とほぼ同様の保険給付を受けられる可能性があります。
任意継続被保険者になるための要件は下記の通りです。
(1)資格喪失日の前日までに2か月以上の被保険者期間があること
(2)資格喪失日から20日以内に申請すること
なお、この任意継続被保険者の制度は健康保険のみの制度ですので
年金にはありません。通常の国民年金第1号に加入することになります。
健康保険窓口:今まで加入していた保険者
被保険者証の交付:今まで加入していた保険者
国民年金窓口:お住いの市町村
□ 国民健康保険に加入する場合
上記の3つすべてに当てはまらない場合、
国民健康保険に加入することになります。
国民健康保険は加入要件がなく、
75歳未満であればどなたでも加入できます。
また被扶養者、という概念がないため
0歳のお子様も1人の被保険者となります。
年金は、国民年金第1号に加入することになります。
健康保険窓口:お住いの市町村
被保険者証の交付:お住いの市町村
国民年金窓口:お住いの市町村
□ どの保険に加入すべきか
では退職後、どの保険に加入するのが従業員にとってよいのでしょうか
他社へ転職する場合は、選択の余地はなく
その会社の社会保険に加入します。
それ以外の、
・家族の被扶養者になる
・任意継続被保険者になる
・国民健康保険になる
の3種類ですと、
「保険料が一番安いところ」に加入するのが一般的です。
家族の被扶養者になる場合、被扶養者から保険料は引かれず
またその家族の保険料が上がることはありません。
保険料はあくまで、その家族の報酬月額(給与額)によって決定され
被扶養者が何人いても保険料が変動することがないからです。
そのため、被扶養者になれるのであれば
こちらを選択するのがよいでしょう。
協会けんぽの任意継続被保険者と国民健康保険は
保険給付の内容がほぼかわらないため、保険料が安い方に
加入したほうがよいでしょう。
資格喪失後の継続給付に該当する場合や、
健保組合の任意継続被保険者の保険給付は必ずしも同じではないので
退職前に内容をよく確認してから選択することをお勧めします。
まずは加入する前に、保険料の額を確認しておくとよいでしょう。
任意継続被保険者は、今までの保険者(協会けんぽや健保組合)、
国民健康保険は、お住いの市町村で保険料を確認します。
国民健康保険の保険料は、通常、前年の所得や家族の人数、
市町村の計算方法によって保険料が変わってきます。
また退職の理由が、解雇や倒産の場合、
国民健康保険料が軽減される場合がありますので、
お住いの市町村にご本人様がご確認ください。
被扶養者がいる方で国民健康保険に加入する予定の方は、
従業員の方の保険料だけでなく
その被扶養者となっていた方の分の保険料もかかります。
保険料は世帯全員分を確認し、どの保険に加入するか選択しましょう。
なお、年金は20歳~60歳の方が厚生年金保険に加入しない場合、
すべて国民年金に加入することになります。