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トピックⅠ 月額変更届 ~随時改定~
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基本給が変更になった、
役職が変更となり役職手当が支給されるようになったなど
固定的な賃金が変更になる場合があります。
その場合、給与額が変更になったからといって
すぐに社会保険料が変更になるわけではありません。
保険料が変更になる場合や、
変更のタイミングなどを確認していきましょう。
□ 月額変更届とは
健康保険料、介護保険料、厚生年金保険料
(以下、あわせたものを社会保険料といいます)は
毎月の給与額ごとに変動するのではなく、
会社から受け取る報酬をいくつかの幅(等級)に
区分した報酬月額に当てはめて社会保険料を決定します。
その社会保険料算出の給与となるのが「標準報酬月額」です。
標準報酬月額は等級で区分されており、
そこに区分されている保険料の額を毎月の給与から
差し引くことになります。
標準報酬月額は原則、1年間使用されますが、
昇給や降給などにより、報酬の額に大幅な変動があったときは
実際に受ける報酬と保険料額との間に隔たりがないよう検証し、
実態に応じて保険料を変更します。
このことを「随時改定」と言い、その届出を「月額変更届」といいます。
□ 月額変更届が必要になる場合
月額変更届は、給与が変わっただけでは、
必要になるかどうかまだわかりません。
下記の3つすべてに該当した場合に提出します。
1. 昇給や降給等の固定的賃金の変動、
賃金体系の変更等があった場合
2. 変動月以後、引き続く3か月とも支払基礎日数が
17日以上の場合
3. 変動月から3か月間の報酬の平均額と
現在の標準報酬月額に2等級以上の差がある場合
この3つすべてに該当した場合に
月額変更届の手続きが必要となります。
□ 固定的賃金の変動
月額変更届の提出が必要になる要件として
「固定的賃金の変動」があります。
固定的賃金とは、稼働や能率に関係なく、
支給額や支給率が決まっているものです。
・固定的賃金の例
基本給(月給、日給、時給)、家族手当、通勤手当、
住宅手当、役付手当など
・非固定的賃金の例
残業手当、能率手当、日直手当、精勤手当など
【固定的賃金に変動があった場合とは】
・昇給(ベースアップ)
・降給(ベースダウン)
・固定的な手当の支給額の変更
(例えば家族手当や役付手当など)
・日給や時給の変更
・引っ越しによる通勤手当の変更
変動月とは、実際に昇給や降給により
固定的賃金に変動があった月をいいます。
例えば、1月に昇給があり月末締め翌月10日支払の会社については
2月10日支給給与から新しい給与額になります。
そのため2月、3月、4月支給給与で「引き続く3か月」となります。
月額変更の手続きに該当する
「支払基礎日数17日以上」は
この場合でいうと、2月、3月、4月いずれも
17日以上なければ該当しません。
パートタイム労働者の随時改定についても同様に
17日以上あることが必要です。
□ 2等級以上の差とは
現在の標準報酬月額と固定的賃金変動後の
標準報酬月額を標準報酬月額等級表に当てはめ、
総支給額が2等級以上の差が生じた場合に、
月額変更届の手続きをします。
□ 月額変更届が不要な場合
固定的賃金が増加しても非固定的賃金が減少して
総支給額の3か月の平均額が2等級以上 下がった場合や
固定的賃金が減少して非固定的賃金が増加し
総支給額の3か月の平均額が2等級以上 上がった場合などは
月額変更に該当しません。
【月額変更の必要性の表】
固定的賃金 |
↑ |
↑ |
↓ |
↑ |
↓ |
非固定的賃金 |
↑ |
↓ |
↑ |
↓ |
↑ |
3か月の平均額 |
↑ |
↑ |
↓ |
↓ |
↑ |
月額変更の必要 |
〇 |
〇 |
〇 |
× |
× |
「固定的賃金」と「3か月の平均額」の矢印が
同じ向きの場合、月額変更届が必要です。
逆の向きの場合には、月額変更届は不要です。
□ 保険料の変更時期
月額変更届を提出した場合、
変動月以後引き続く3か月の「翌々月支給給与」から
新しい保険料となります。
例えば、当月末締め、翌月15日支払の会社で
2月15日支給給与から基本給が上がった場合、
2月15日、3月15日、4月15日支給給与で
随時改定に該当し、4月給与確定後、月額変更届を提出。
保険料は、翌々月の、6月15日支給給与から変更となります。