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     トピックⅠ 法定帳簿
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人を雇い入れた時、給与を支払う時など
労務を行う上で必要な帳簿類が法律で定められています。

知っているようで知らなかった帳簿類、また、
帳簿類はあるが、必要項目が記載されていなかったなどの不備により、
役所から指摘される場合もあります。

 

この機会にきちんと帳簿類を整え
不備のない書類となるようにしていきましょう。

 


□法定帳簿とは

 

労務管理上の法定帳簿とは
「労働者名簿」「賃金台帳」「出勤簿(タイムカード等)」を指します。
これらは「法定三帳簿」ともよばれ
労働者数に関係なく、事業者ごとに作成し
備え付ける必要があると労働基準法で定められています。

また、法人、個人の区別もないため、
個人事業主で従業員を雇い入れている方についても
作成義務があります。

 


□労働者名簿

 

日々雇入れられる従業員を除いた
全ての労働者が対象となり、
事業場ごとに作成し整備することが義務づけられています。
(労働基準法第107条)

 

(1)記入事項 (労働基準法施行規則 第53条)
1. 氏名
2. 性別
3. 生年月日
4. 住所
5. 履歴(一般に、社内の人事異動履歴等)
6. 雇入れ年月日
7. 退職(死亡を含む)年月日とその事由
   (解雇の場合はその理由を含む)
8. 従事する業務の種類(30人以上の事業の場合のみ)

 

記載内容に変更があった場合には、
遅滞なく書き換える必要があります。

 

(2)保存期間および起算日
退職または解雇の日、死亡した日から3年間
(労働基準法第109条、労働基準法施行規則第56条)

 

(3)ポイント
日々雇入れられる従業員以外の
従業員全員について労働者名簿が必要なため、
正社員以外のパートやアルバイトの方についても整備しておきましょう。

 

5.の履歴について具体的な法律の定めはありませんが、
一般的に、社内での異動や昇格履歴等を記入します。

 

また住所や履歴などに変更があった場合には
すみやかに書き換えることが義務付けられています。
そのため従業員から住所変更等があった場合には
会社に届け出るように伝えておきましょう。

 


□賃金台帳

 

事業所ごとに作成し、賃金が支払われる都度
賃金計算の基礎となる事項および賃金の額等を記入するものです。
(労働基準法第108条)
労働者名簿と違い、すべての従業員が対象となるため
日々雇入れられる従業員についても作成が必要です。

 

(1)記入事項 (労働基準法施行規則 第54条)
1. 氏名
2. 性別
3. 賃金計算期間
4. 労働日数
5. 労働時間数
6. 時間外労働、休日労働、深夜労働の時間数
7. 賃金の種類(基本給、その他手当)ごとの金額
8. 賃金の一部を控除した場合にはその額

 

一部、労働者名簿を同じ項目がありますが、
賃金計算期間や労働時間数など賃金に関する事項は
賃金台帳に必要なものです。
特に、労働日数や労働時間数の記入漏れが多いので気をつけましょう。

 

(2)保存期間および起算日
最後に記入された日から3年間
(労働基準法第109条、労働基準法施行規則第56条)

 

(3)ポイント
次に紹介する出勤簿同様、労働時間を適正に把握し
それを記入する必要があります。

 

4.の労働日数は、出勤した日すべてを記入します。
休日出勤を含みます。

 

5.の労働時間数についても、実際に労働した時間数を記入し
時間外労働や休日労働時間数も含め
年次有給休暇を取得した日は所定労働時間を労働したとみなし
その時間数を労働時間数に含めます。

 

また管理監督者については
労働時間管理の適用除外となっているため、
労働時間、時間外労働時間数の記入は不要ですが、
深夜労働の時間数については記入が必要で
深夜の割増賃金の支払いも必要です。

 


□出勤簿

 

出勤簿という名称について法律上の制限はありませんが
「労働時間、休憩、休日」について
会社は適切に管理する責務があることから、
従業員の勤務について適正に把握できるタイムカード等の
整備をしておく必要があります。
(労働基準法第109条、

  労働時間の適正な把握のために使用者が講ずべき措置に関するガイドライン)

 

(1)記入事項
1. 氏名
2. 出勤日
3. 出勤日ごとの出勤時刻、退勤時刻、休憩時間等

 

(2)保存期間および起算日
従業員の最後の出勤日から3年間
(労働基準法第109条、労働基準法施行規則第56条)

 

(3)ポイント
出勤した日だけでなく、出勤時刻や休憩時刻など
その日の実際の労働時間を把握できるようしておかなければなりません。

 

働き方改革法案でも、労働時間の状況の把握については
・タイムカードによる記録、パーソナルコンピューター等の
  電子計算機の  使用時間の記録等の客観的な方法による
・自己申告制による場合は、労働時間の実態を正しく記録し、
  適正に行うことを労働者に説明すること
とされています。

 

時間管理は、長時間労働の是正や、
未払いの時間外労働のトラブルなども考えられますので
会社として把握や管理はしっかりと行う必要があります。