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トピックⅠ 働き方改革法案 ~年次有給休暇 休暇の取得~
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前回に続き、働き方改革関連法の内容となります。
今回は、年次有給休暇に関する変更点について説明していきます。
ご質問を受けることが多い年次有給休暇の項目ですが、
こちらも36協定に続き、会社にとって大きな影響のある改正になります。
特に年次有給休暇を取得できていない従業員が多い会社は
今のうちに対策をたてることが必要です。
□年次有給休暇とは
労働基準法第39条で認められた労働者の権利であり
労働者がこれを行使することで
賃金が支払われる休暇を取得することができます。
通常、会社の営業日に休暇を取得すると
「ノーワークノーペイ」の原則により
賃金が支払われないのが原則です。
ただし労働者が年次有給休暇を取得することにより
休暇を取得しても賃金カットは行われず
給与が支払われることになります。
雇入れ後6か月で年次有給休暇が付与されます。
正社員だけでなく、パート・アルバイトの方にも
法律上の要件を満たす方には年次有給休暇が付与されます。
□現状と変更点
一般的に年次有給休暇は
労働者が日にちを指定して取得します(時季指定権)。
労働者が取得を申し出しない場合、
年次有給休暇は付与日より2年で時効となるため、
人によっては全く取得しないうちに失効・消滅する
ということが多々あります。
日本は世界的に見ても
年次有給休暇の取得率が低いことを踏まえ
年5日以上の年次有給休暇の取得が確実に進むように
この度改正されました。
【現状】
労働者が会社へ、時季指定日を申し出て取得する
↓
【改正後】
10日以上の年次有給休暇が付与される労働者は
会社が5日について毎年、時季を指定して与えることを義務化
今回の法律改正により、労働者は毎年必ず、
5日間の年次有給休暇を取得することとなります。
□具体的な取得の仕方
通常、雇入れの日から通算して6か月経過後に
10日の年次有給休暇が付与されるため、その日から1年以内に
5日の年次有給休暇を取得することになります。
法律上は、会社が労働者ごとに時季を定めることとされていますが
・労働者が時季を指定して取得したもの、
・計画的付与により取得したもの は、
会社の時季指定する日から控除することが可能です。
・すべて会社が指定する場合 5日を会社が時季指定する
・労働者が自ら5日取得 会社の時季指定は不要
・労働者が自ら3日取得+計画付与2日※ 会社の時季指定は不要
・労働者が自ら3日取得 会社は2日を時季指定
なお会社は、労働者ごとに年次有給休暇管理簿を作成し、
3年間保存しなければなりません。
※計画付与:年次有給休暇について、労使協定を結んだ上で
5日を超える部分について会社が付与できる。
この分については時季指定権・時季変更権は使用できない。
(次項(2)参照)
□時季指定の対応
今後、会社は年次有給休暇を時季指定する必要が出てきます。
その場合、どのような対応の仕方があるのでしょうか。
(1)個別指定の方法
従業員ごとに消化日数が5日に達しているかどうかを
チェックし、5日未満の者に対しては会社が時季指定をする方法
消化日数が5日未満の方のみ、
時季指定をすればよいため柔軟な対応が可能です。
現状で年次有給休暇を年5日以上取得している従業員が多い場合には、
この方法が適していると考えられます。
(2)計画的付与の方法
会社が従業員代表と労使協定を締結し、
年次有給休暇のうち5日を超える部分については、
あらかじめ日付を設定できる方法
現状で、(1)とは反対に
年次有給休暇を年5日以上取得できている従業員が少ない場合には、
この方法が適していると考えられます。
年次有給休暇を取得するタイミングがない従業員が多いのであれば
一斉に会社や部署を休暇として年次有給休暇を取得させることが
可能となるためです。
例えば、5月の連休の平日を計画的付与の対象の日とし
大型連休にする、夏季休暇を作る、等です。
なお、計画的付与を導入する際は、労使協定の締結が必要となります。
□罰則
2019年4月より施行となりますので
早めの対応が必要となります。
法令に違反した場合、「30万円以下の罰金」となります。
<参考>厚生労働省『年次有給休暇の時季指定義務』
https://www.mhlw.go.jp/content/000350327.pdf#search=%27%E5%B9%B4%E6%AC%A1%E6%9C%89%E7%B5%A6%E4%BC%91%E6%9A%87+%E6%99%82%E5%AD%A3%E6%8C%87%E5%AE%9A%27