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トピックⅠ 社会保険料の仕組み
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毎月、給与から控除する社会保険料
(健康保険料、介護保険料、厚生年金保険料)について、
「毎月、金額が変わらないのですが、これで大丈夫でしょうか」
等の質問を受けることがあります。
今回は、社会保険料の仕組みについて確認していきます。
□社会保険とは
広義では
公的医療保険・年金保険・労働保険を
合わせたものを指しますが、
狭義で社会保険といった場合には、
医療保険である健康保険と
年金保険である厚生年金保険
および介護保険を指します。
□保険料の決定方法
保険料は、給与額をいくつかの幅(等級)に区分した
標準報酬月額等級区分表により当てはめて決めています。
この等級を決める際の給与額を「標準報酬月額」と言います。
標準報酬月額の等級は、
健康保険では50等級、厚生年金保険では31等級に分かれており
その等級によって、保険料が決定します。
厚生労働省 標準報酬等級区分表(保険料額表.H29.9~)
https://www.nenkin.go.jp/service/kounen/hokenryo-gaku/gakuhyo/20170822.files/1.pdf
※H30.9月版がもうすぐ発表になります
□保険料の決定の時期
保険料は一度決定すると、
月々の給与額が大幅に変動しない限り、
原則 毎月そのまま定額の保険料を
給与から控除することになります。
その主な決定の時期は、入社時と、
毎年7月に算定基礎届を提出した時です。
ただし、それ以外にも決定する時期があります。
次項より詳しく見ていきましょう。
(1)資格取得時決定
資格取得時決定とは、入社時(社会保険に加入する際)に、
給与の総支給額の見込み額を計算の基礎として
保険料を決定することです。
ここで言う給与とは、従業員が
労働の対償として受け取るものを指します。
基本給や各種手当の他、
通勤手当や時間外の見込み額等もこの給与の額に含まれます。
(2)定時決定(算定)
従業員が実際に受けている給与額と、
すでに決められている標準報酬月額とが大きくかけ離れないよう
毎年1回保険料を見直します。
この見直しの手続きを『定時決定』といい、
『算定基礎届』を提出することにより、
実態に合った標準報酬月額を決定します。
【算定基礎届の提出時期と適用期間】
・7月1日~7月10日までに提出
・4月、5月、6月に支給された給与額を届書に記入
・決定された標準報酬月額は、9月分の保険料より反映
【算定基礎届の対象になる人とならない人】
原則、7月1日現在
従業員として社会保険に加入している人全員が
算定基礎届の対象となりますが、
一部、除外になる人がいます。
・6月1日以降に資格取得(加入)した人
・7.8.9月に月額変更の予定の人
(3)随時改定(月額変更)
定時決定により決定された標準報酬月額は
原則として1年間使用されますが、
昇給や降給により報酬の額に大幅な変動があったときは
定時決定を待たずに報酬月額の変更を行い、
『月額変更届』を提出することにより新保険料を決定します。
これを『随時改定』と言います。
【月額変更届が必要となるとき】
次のすべてに該当した場合に、月額変更に該当します。
1つでも欠ければ届出は必要ありません。
1. 固定的賃金の変動、給与体系の変更があった
2. 変動月以後、引き続く3か月とも1か月の出勤等日数が
17日以上であった
3. 変動月から3か月間の給与の平均額と、現在の標準報酬月額に
2等級以上の差がある
4. 変動した固定的賃金の方向(増額か減額か)が
総支給額と同じ方向を向いている ※参照:トピックⅡのQ2※
(4)産前産後休業・育児休業等終了時決定
従業員が産前産後休業および
育児休業等期間を終了し職場復帰した際に、
時間短縮や所定外労働をしないことで
休業以前と比べて給与額が変動した場合、
標準報酬月額の改定を申し出ることができます。
【改定対象となる人】
1. 休業前の標準報酬月額と復帰後の標準報酬月額に
1等級以上の差がある
2. 休業終了日の翌日の属する月以後、3か月のうち
少なくとも1か月の出勤等日数が1回でも17日以上であった
※通常の月額変更届と違う点は、
・1等級の差であっても該当すること
・従業員の申し出に基づき事業主を経由して届出ること
が大きな点です。
また、復帰後に給与が下がる方が多いことから、
3歳未満の子を養育する従業員で、休業前の標準報酬月額を下回る場合は
従業員が申し出ることにより、休業前の標準報酬月額に基づいて
将来の年金額を計算する仕組みがあります。
(厚生年金保険 養育期間標準報酬月額特例申出書)
□今月は定時決定による新保険料改定月 ※控除は10月から※
直近では、7月に提出した算定基礎届の結果を反映して、
9月分の保険料より新しい保険料を給与から控除することとなります。
9月分の保険料は「10月支給給与」から控除するため
来月の控除保険料額は、新しい標準報酬月額の保険料にしてください。