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トピックⅠ 退職勧奨の注意点
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退職勧奨による退職は
解雇とは異なりますが、
労働者はいったん働く機会を
失うことになるのですから、
生活、人生に大きな影響を与えることになります。


それだけにトラブルになると
重大化・長期化しやすく
経営に影響を与えるリスクを孕んでいます。


前号に引き続き、
従業員との面談を経て退職を決意して頂く
いわゆる「退職勧奨」を行う場合の
注意点について考えていきましょう。


前号も必ずご参考ください。



■退職勧奨を行う前に


会社にはいったん従業員を採用した以上、
雇用継続の責任があると考えられ、
雇用継続の努力が求められるとされています。


そして、会社としてはできる限りのことを尽くしたが、
もはや手立てがないと考えられる状態に至った場合に、
退職を勧めることができます。


しかし、その方法を一歩間違えるだけで退職勧奨や解雇が
無効となる場合がありますので、注意が必要です。
そのような事態にならないためにも、以下のような対応を行いましょう。


『雇用継続の努力』として会社が取るべき行動は次の通りです。



1.指導、教育、面談を行う

問題が従業員の勤務態度・成績・ミスの多さ等であるならば、
本人の自覚を促し、
また、改善のチャンスを与えるために
指導、教育、面談を複数回行う必要があります。
(1、2回では裁判になった時に有効と認められない可能性があります)



2.指導、教育、面談は毎回記録を取る

面倒でも記録は毎回取ります。
場合によっては本人に反省文、報告書等を提出してもらいます。
記録の内容について従業員にも確認してもらい、
署名をもらっておくとより安全でしよう。



3.就業規則に基づいて懲戒を行う

問題の内容が就業規則の懲戒規定に該当することである場合は、

けん責・訓告 等、 就業規則に基づいた処分を行います。



4.仕事内容の転換を行う

中小規模の会社ではなかなか難しいことがありますが、
従業員の業務遂行能力に問題があるような場合は、
遂行可能な仕事内容の転換(配置転換)を行い
適正な配置を行います。

配置転換ができない場合は、
社内に他の職種を確保できないことを説明して、
現在の職場にて改善努力をするよう求めましょう。


もし、従業員と退職に向けた話し合いがこじれて
トラブルに発展した場合に、
事前にこのような対応を十分に行っていたかどうかが

重要なポイントになります。

従業員に問題点の自覚を促すためにも
事前の対応はきちんと行いましょう。



■退職に向けた話し合いを行う場合の注意点


退職勧奨は、最終的には
労働者からの自発的な退職を促す行為です。


雇用契約を合意解約する申し入れあるいは誘引であって、
退職勧奨を行うこと自体は適法です。


しかし、応じるかどうかは労働者の自由です。
退職を強要するものであっては決してなりません。

執拗で退職を強要するようなものである場合、
違法性を帯びてきて、退職が無効となるだけでなく
損害賠償を請求されることにもなりかねません。


退職を勧める話し合いを行う場合は
以下のことに気を付けてください。


1.執拗な退職勧奨は行わない。
(長時間の拘束、多数回にならない)
2.言動は穏やかに行う。暴言は禁止。
3.なぜ退職してほしいのか納得のいく客観的理由を示す。
4.労働者が明確に退職を拒否している場合には勧奨を続けない。

   (執拗な退職勧奨が違法であるとして、
       損害賠償を請求された事例はQ&Aを参照ください)