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トピックⅠ 話し合いで従業員に合意退職してもらう
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会社が求める能力と本人の実際の能力に
著しい乖離があるような場合に、
できれば退職してほしいなと
思う経験をお持ちの読者の方もいるかもしれません。


特に中小企業であると、
少人数で業務を回しているため
他の職種に変更してもらうこともなかなかできず、
経営に直接打撃を受けることがあります。


そのような場合に
「解雇」が思い浮かぶかもしれませんが、
「解雇」は経営リスクが高いのもまた事実。
今号では次のような方法もあることを
皆様にご紹介したいと思います。



■退職勧奨


会社から、能力不足 等 問題のある従業員に対して
従業員側から退職するよう説得することをいいます。
相手の労働者がこれに納得すると、
合意退職が成立します。

あくまでも 問題を円満に解決する方法として、
話し合いの上での退職を進めます。



■退職勧奨と解雇との違い


退職勧奨が最終的に
労働者からの『退職』により労働契約が終了するのに対し、

会社から一方的に
労働契約の解除通告をするのが『解雇』です。


その方法は下記の原則が労働基準法で定められています。

①少なくとも30日以上前に解雇の予告をする
②即日解雇をする場合は、解雇予告手当として、
平均賃金の30日分以上を支払う



【解雇の危険性】


解雇は労働者にとって極めて深刻なことです。
労働基準法にその方法が定められているからといって、
会社が無制限に行うことはできません。


解雇を行った後に、
労働者側から不当解雇、・解雇権の乱用であるとして、
トラブルとなるケースが後を絶ちません。
裁判に発展したケースでは、
会社側にとって不利な判決になることが大半です。


解雇についての詳細は、Express21 102・103・105号にて
取り上げていますので、あわせてご参照ください。


<参考>Express21バックナンバー
Vol.102 懲戒処分
http://ameblo.jp/cent-21/entry-11901564688.html

Vol.103 解雇を行う場合の注意点
http://ameblo.jp/cent-21/entry-11908194003.html

Vol.105 整理解雇について
http://ameblo.jp/cent-21/entry-11922285383.html



■合意退職に向けた話し合いの手順


①話し合いの場を持ち、退職することに合意してもらう

②退職日を確定する(できるだけ早めがいい)

③条件等折合いがつけば「退職合意書」に署名・押印をもらう。

④話し合いの中で支払いに合意した金銭があれば、
現金で支払う(もしくは約束した期日に振り込み)



■退職合意書の作成


話し合いがつき、双方合意に至った場合は、
必ず退職合意書(書面)を作成しましょう。

2部作成し、署名押印後
労使双方1部ずつ持つようにします。


内容は以下のようなものになります。


・合意退職により、雇用契約を解約すること。
・退職日
・条件(慰労金等を支払う場合の金額、支払いの方法)
・上記条件履行の為の従業員の義務(貸与物の返却 等)
・退職後の会社の営業秘密等の情報漏洩の禁止
・本件に関し今後法律的に争う余地がないこと 等


退職合意書は
合意に至ったその場ですぐに締結できるように
事前に用意しておくことが望ましいです。
後日作成して署名を交わすまでに従業員の気が変わると
再度交渉しなくてはいけなくなるからです。


【合意条件における金銭の支払いについて】

「解雇」ではなく話し合いの結果として退職してもらうので、
解雇予告手当は必要ないことになります。


ただ、会社としても
当従業員を採用した責任があることも事実です。
『会社の誠意』という形で
金銭の支払いや有給休暇の買上げといった
有利な退職条件を提示することで、
従業員の合意及び早期の退職に至りやすくなります。


金銭の支払額に相場はありませんが、解雇予告手当に準じて
給与1ヶ月分以上~数ヶ月分は用意したいところです。
有給休暇が残っている場合は、
買い上げることで退職日を前倒しすることができます。


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次回のブログでは
退職勧奨を行う際の留意点について
判例も交えて取り上げる予定です。
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