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トピックⅡ ここが知りたい! Q&A
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| Q1.会社と従業員間で解雇トラブルに発展した場合、
| 裁判所判断は従業員保護の傾向があるようですが
| 客観的に合理的な理由と社会通念上相当であることの
| 判断基準がわかりません。具体的に教えてください。
A1.下記に実際の判例をご紹介します。
今回ご紹介する判例は30年以上前のものにはなりますが、
以後長く解雇トラブルに関する判決の
長く指標となっているものです。
どのような場合に解雇権濫用と判断されるかの
指標とすることができます。
【解雇権の濫用と判断された事例】
高知放送事件 最高裁 昭和52年1月31日
■あらまし
Aは、放送事業を営むB会社のアナウンサーであった。
担当する午前6時から10分間のラジオニュースを
2週間に2回の寝過ごしによって、
その間ニュースを放送しない事故を起こした
B会社は、Aの行為は就業規則の懲戒事由に該当し、
懲戒解雇とすべきところ、
Aの将来を考慮して普通解雇とした。
これに対しAは解雇権の濫用であるとして、
B会社の従業員としての地位確認の請求を行った。
■判旨
(Aの勝訴)
本件の事実に照らせば、
Aの行為は就業規則所定の普通解雇事由に
該当するものというべきである。
しかしながら、
解雇事由に該当する場合においても
使用者は常に解雇し得るものではなく、
当該具体的な事情の下において
解雇に処することが著しく不合理であり、
社会通念上相当なものとして
是認することができないときには、
当該解雇の意思表示は
解雇権の濫用として無効になるというべきである。
本件事故はB会社の対外的信用を著しく失墜させるもので
Aに非がないということはできないが、
①Aの過失によって発生したもので、
悪意又は故意によるものではなく、
Aは平素の勤務成績も別段悪くないこと、
②また、通常アナウンサーより先に起きて
朝のニュース原稿をファクシミリで受信し
アナウンサーを起こすことになっている
ファックス担当者も寝過ごしており、
この担当者はけん責処分に処せられたのみだった、
③会社において1回目の事故の後に
早朝のニュース放送の万全を期すべき措置を
講じていなかったこと、
等の諸事情を考慮すると、
Aに対し解雇をもって臨むことは、いささか苛酷で合理性を欠き、
社会的に相当なものとして是認することはできないと考えられる。
したがって、本件解雇を解雇権の濫用として無効と判断した。
■ポイント
①就業規則に定める解雇事由に該当する場合であっても
当然に解雇できるわけでなく、
客観的合理的理由と社会通念上の相当性が必要である。
②
・解雇理由となった従業員の行為が軽微なもので
解雇を行うことが苛酷すぎる場合、
・他の従業員との取扱いと比べ不均衡な場合、
・会社の管理責任が問われる場合 等は、
社会通念上の相当性を欠くと判断される。
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