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トピックⅠ 従業員に対して懲戒処分を行う場合の注意点
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遅刻、無断欠勤を繰り返す、
会社の信用を著しく損なう行為があった 等、


従業員が会社の秩序を乱すような場合に、
会社の秩序を維持するため、
ペナルティーとして
何らかの処罰を科すことがあります。
このことを懲戒処分といいます。


このような時には
事業主様としても感情的になってしまうことが
あるかもしれません。


しかし、従業員に対して行う懲戒処分は
その内容を都度裁量で決めることはできません。
あらかじめ決められた厳格なルールのもと
行わなければならないのです。


今号では、懲戒処分を行う場合に
配慮すべき点について確認してみましょう。



■懲戒処分の種類


次のようなものがありますが、
①→⑤に進むほど懲戒処分は重いとされています。


①戒告・訓戒・けん責
比較的軽微な違反行為に対してなされ、
口頭や書面で注意します。
始末書を提出させることもあります。


②減給
制裁として一方的に賃金を減額することです。
労働基準法では、減給できる金額の限度を定めています。
(労働基準法91条)
・1回の事由につき、減給できるのは
従業員の平均賃金の1日分の50%まで
・賃金の支払い期間中(通常1ヶ月)に複数の事由が
重なった場合は、賃金総額の10%まで


③出勤停止
就労を一定期間禁止することです。
ノーワークノーペイの原則により
この間の賃金を支払う必要は無く、
上記の②のような労働基準法91条の
制限は受けません。


④降格
例えば、課長→係長というように、
職位を下げることです。
それにより賃金も下がることは、
上記②の労働基準法91条の
違反とはなりません。


⑤諭旨退職(諭旨解雇)
企業側が従業員に退職を勧告し、
従業員本人の願い出によるという形で
退職させる処分です。
多くの企業で、
退職金が全部または一部支払われる点で
懲戒解雇より一段軽い処分であると
位置付けられているようです。


⑥懲戒解雇
従業員との雇用契約を一方的に終わらせるもので、
最も重い処分です。
ただし、解雇であることに変わりはないので、
原則として30日前の解雇予告期間
または解雇予告手当が必要です。
場合によっては、手続きすることで
解雇予告手当
(解雇をする際に平均賃金の30日分を支払うこと)
が不要となることもあります。



■懲戒処分を行う際の注意点


①就業規則に規定している懲戒事由にあたる
違反行為を行ったか否か


会社においても一般社会と同じように、
罪刑法定主義(法律違反を罰すること)の
原則が適用されると考えられています。

就業規則に記載が無ければ
懲戒処分を科すことはできません。
懲戒規定はできるだけ詳細に
記載する必要があります。


②違反行為と処分内容の妥当性


軽度の違反行為に対して、
重度の処分(例えば懲戒解雇等)を
科すことはできません。
(但し、違反を繰り返す場合は別)
また、一つの違反行為に対して、
複数の処分を行うことはできません。


③懲戒処分を行う際は必ず文書で行い、
その文書を残しておくこと


前述の『懲戒処分の種類』①で
口頭でも可能(戒告)とありますが、
可能な限り文書を残しておいた方が
後のトラブルに備える事ができます。


例えば小さな違反事項であっても、
従業員が悔い改めず何度も同じ違反を
繰り返すケースです。
違反行為を繰り返すような場合は、
より強度の処分を科すことがありますが、
その際根拠を示せるよう、
処分の記録は必ず取っておきましょう。


④あらかじめ決められた手続きを踏むこと


就業規則の規定にて、
懲戒処分の決定に懲罰委員会を開催することや、
弁明の機会を付与することを定めている場合には、
必ずその決められた手続きを経て
処分します。

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