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トピックⅡ ここが知りたい! Q&A
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Q1. 当社は外回りの営業社員も多く、
労務管理業務の軽減も考慮して、
現在の給与総額をほとんど変えることなく、
定額残業代の制度を導入したいのですが、
気をつけることはありますか。
給与総額を現在の水準のまま、
定額残業代を含む給与体系に変更するということは、
つまりは基本給の減額に該当するので
従業員にとっては労働条件の不利益変更に
あたる可能性があります。
まず、
従業員に説明し、個々から同意を得ることが必要です。
基本給:**円
定額残業代:××円(残業@@時間分) 等、
内訳の詳細をお知らせし、
同意を得なければなりません。
さらに、
基本給+諸手当(定額残業代、交通費等除く)÷1ヶ月の平均所定労働時間
が厚生労働省で定める最低賃金を
下回らないよう気をつけましょう。
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【地域別最低賃金 H26年3月現在】
東京 869円
千葉 777円
埼玉 785円
神奈川 868円
最低賃金についてはこちらから
http://www.mhlw.go.jp/new-info/kobetu/roudou/gyousei/kinrou/dl/040324-3_1.pdf
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また、
定額残業代制度を導入しても
従業員の労働時間管理の責任は
軽減されません。
なぜなら、
実際の残業時間の労働基準法所定の計算方法による額が
定額残業代を上回る場合は
その差額を支払わなければならないからです。
⇒トピックⅠ 要件の4.
毎月の多寡(設定された残業時間を上回ったかどうか)を
確認する必要があります。
Q2.従業員Aと、下記のような雇用契約を締結しました。
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・基本給を月額41万円。
・月間総労働時間が180時間を超えた場合には
その超えた時間につき
1時間当たりの割増賃金を支払う。
・月間総労働時間が140時間未満の場合には
その満たない時間につき1時間当たりの単価を
控除する。
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※就業規則においては、労働時間を1日8時間、
休日を土日祝日、年末年始その他と定めています。
Aが月間180時間時間以内の労働時間中の
割増賃金を請求してきました。
雇用契約書の内容であれば、
支払う必要が無いと考えますが、いかがでしょうか。
これは実際に訴訟に発展したケースで、
最高裁において従業員Aの要求は認められました。
以下、本件の判決主旨をご紹介します。
(最判 平成24年3月8日)
▼争点
① 雇用契約の基本給41万円に
月180時間以内の労働時間中の
時間外労働に対する時間外手当も含むのか
② Aは月間180時間以内の労働時間中の
時間外労働に対する時間外手当の請求権を
自由意思により放棄したといえるか
▼判決
①について
本件雇用契約においては、
月額41万円の全体が基本給とされており、
その一部が他の部分と区別されて
労働基準法37条1項の規定する時間外の割増賃金と
されていたなどの事情はうかがわれない。
また、
割増賃金の対象となる
1か月の時間外労働の時間は、
1週間に40時間を超え又は1日に8時間を超えて
労働した時間の合計であり、
月間総労働時間が180時間以下となる場合を含め、
月によって勤務すべき日数が異なること等により
相当大きく変動し得るものである。
そうすると、
月額41万円の基本給について、
通常の労働時間の賃金に当たる部分と
同項の規定する時間外の割増賃金に当たる部分を
明確に判別することができない。
よって
Aが時間外労働をした場合に、
月額41万円の基本給の支払を受けたとしても、
その支払によって、
月間180時間以内の労働時間中の時間外労働について
労働基準法37条1項の規定する割増賃金が
支払われたとすることはできない。
②について
Aの自由な意思に基づく時間外手当の請求権を
放棄する旨の意思表示があったとはいえない。
このように裁判所は、
定額残業代として、
別途手当を支給する場合であれ、
基本給に一定額の残業代を含む場合であれ、
・通常の賃金と明確に区別できること、
・定額分が一体何時間分の残業に該当するのか
明らかにすること、
を厳格に要求する立場を支持していることがわかります。
定額残業代の制度を導入する場合は
厳しい要件を満たしているかどうかを十分に考慮し、
慎重に行ってください。
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