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トピックⅠ 労働時間の適正管理
「時間外労働」を正しく知ろう
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昨年厚生労働省では、

9月を過重労働重点監督月間とし、
長時間労働の抑制の為企業の監督指導を
集中的に行いました。


労働時間の管理の中で、
従業員とのトラブルが最も多いのが
時間外労働の「残業代」に関して、です。


Express21 76号(2014/12/9 大丈夫ですか?労働時間の適正管理)、
Express21 78号(2014/12/24 長時間労働のリスク) では
労働時間適正管理の
大切さについて取り上げました。


適正な労働時間管理は、健全な経営につながります。


そこで、
今回あらためて、「時間外労働」について、取り上げました。

皆さまの会社での管理が
どのようになっているか
見直すきっかけとなれば幸いです。



■労働時間管理の義務


労働基準法で、労働時間、休日、深夜業等に関して規定を
設けていることからもわかるように、
会社は従業員が
いったい日々何時間働いたのか、把握し
労働時間を適切に管理しなければなりません。


以下、ご紹介するのは
厚生労働省通達の内容です。


会社(使用者)は


①従業員の労働日ごとの
 始業・ 終業時刻を確認して記録すること

②始業・終業時刻の確認及び
 記録の原則的な方法として、
 使用者が自ら現認することにより
 確認、記録することもしくは、
 タイムカード、ICカード等の
 客観的な記録を基礎として確認、記録すること


 とされています。
 
  ※「自ら現認」とは、使用者自らあるいは、労働時間管理を行う者が
    直接始業、終業時刻を確認することです。


【労働時間の適正な把握のために、使用者が
            講ずべき措置に関する基準について】

平成13年4月6日発
http://www.mhlw.go.jp/new-info/kobetu/roudou/gyousei/kantoku/dl/070614-2.pdf


■時間外労働とは


労働基準法において法定労働時間を超える労働のことをいいます。
割増賃金の対象となります。


【法定労働時間】


 労働基準法では、
 1日8時間
 1週40時間
 を法定労働時間と定めています。


  ※但し商業、映画・演劇業(映画製作の事業を除く)、
   保健衛生業及び接客娯楽業であって、
   常時使用する労働者が10人未満の事業場は、
   特例として週法定労働時間を44時間と定めています。


【36協定】


 会社は、労使協定(いわゆる36協定)を締結し、
 労働基準監督署に届け出た場合は、
 上の法定労働時間を超えて
 労働させることができます。


【割増賃金】


 その場合には
 法定労働時間を超えた労働時間について
 割増賃金を支払う必要があります。


  ※労使協定が締結されている等の条件の下、
   一定期間内を平均した労働時間が
   法定労働時間を超えないように労働時間を定めることができる
   変形労働時間制度があります。
   1か月単位の変形労働時間制、
   1年単位の変形労働時間制
   及び1週間単位の変形労働時間制です。


■時間外労働割増賃金の計算


割増賃金額=
1時間あたりの賃金額×時間外労働、休日労働、深夜労働をした時間×割増賃金率


【割増賃金率】


 ・時間外労働 : 2割5分以上


  ※1ヶ月60時間を超える時間外労働については5割以上
   中小企業については当分の間適用が猶予されています。


 ・休日労働 : 3割5分以上

 ・深夜労働 : 2割5分以上


  ※時間外労働が深夜(午後10時~午前5時まで)
   となった場合は5割以上(2割5分+2割5分)、
   休日労働が深夜となった場合は6割以上(3割5分+2割5分)
   の割増賃金を支払う必要があります。


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時間外労働 60時間まで  25% 以上
時間外労働 60時間超え  50% 以上 ※中小企業は猶予あり
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休日労働        35% 以上
---------------------------------------------
深夜労働        25% 以上
---------------------------------------------


■割増賃金の基礎となる賃金


割増賃金は、時給に換算して算定する必要があります。


1時間あたりの賃金額は月給制の場合、
月の所定賃金額÷1ヶ月の所定労働時間数
で計算したものです。


【1ヶ月の所定労働時間数】


 1ヶ月の所得労働時間数とは、
 1年間における1ヶ月の平均所得労働数です。


 例えば、
 年間休日120日、1日所定労働時間7時間の場合
 (365日-120日)×7時間÷12ヶ月= 142.9時間 となります。
                       (小数点2位以下切り捨て)


【所定賃金額】


 月の所定賃金額は、
 各種手当を含めた賃金額です。


 次のものは労働と直接の関係が薄く、
 個人的事情に基づいて支給されるので
 割増賃金の基礎となる
 月の所定賃金から除外します。


 ①家族手当 
 ②通勤手当
 ③別居手当
 ④子女教育手当
 ⑤住宅手当
 ⑥臨時に支払われた賃金
 ⑦1ヶ月を超える期間ごとに支払われる賃金


 しかし、
 上記の手当であれば
 全て基礎となる賃金から
 除外できるわけではないことに注意が必要です。



皆さまの会社では諸手当をどのような基準で
支給していますか。


次のトピックⅡのQ&Aも参照してみて、
大丈夫かどうか確認してみましょう。