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トピックⅡ ここが知りたい! Q&A
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Q1.<安全配慮義務違反の責任追及の争点>

   従業員が長時間労働の原因で健康障害を引き起こし、
   会社の安全配慮義務違反の責任追及が認められるのは
   どのような争点になるのですか。



 【脳・心臓疾患の事案】


 以下の争点となります。
  ①当該疾患が過重労働によって生じたか
  ②会社の安全配慮義務違反があったかどうか


 ①については
 厚生労働省から次のような通達があり、
 判例もこれに準拠する傾向があります。


 「発症前1か月間におおむね100時間 又は
 発症前2か月間ないし6ヶ月間にわたって、
 1ヶ月当たりおおむね80時間を超える時間外労働が
 認められる場合は、
 業務と発症との関連性が強いと評価できることを
 踏まえて判断すること。」


厚生労働省
「脳・心臓疾患の認定基準の改正について」
http://www.mhlw.go.jp/houdou/0112/h1212-1.html


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 ■事例 最高裁 平成12年10月13日


 <事実>
  コンピューターソフトウェア会社で
  開発に従事していた労働者が
  脳幹部出血により死亡し、
  遺族が会社に対し損害賠償請求した事案


 <判決>
  ・入社以来、年間総労働時間が平均3,000時間を超えていた。 
  ・労働者の従事していた業務が日常的に
   精神的緊張を伴っていた。
  ・会社は産業医を選任していたが、
   積極的に業務軽減指示をしていなかった。

  等の理由から、
  高血圧症を認識しながら業務軽減措置等をとらなかった
  会社には安全配慮義務違反があったとして、
  会社に対する損害賠償請求を認めました。


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 【精神疾患(精神障害)の事案】


 脳・心臓疾患の事案とほぼ同様の争点となります。
  ①業務と精神疾患(精神障害)の間に相当因果関係があったか。
  ②会社の安全配慮義務違反があったかどうか 


 ※①と長時間労働の関係は、
  トピックⅠでご紹介した労災認定基準が
  裁判でもほぼ同様に採用されています。


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 ■事例 大阪地判 平成22年9月15日


 <事実>
  コンピューター制御システムの開発業務に
  従事していた従業員がうつ病を発症し、
  会社に対し損害賠償請求した事案


 <判決>
  ・発症前6ヶ月間に長時間の労働をしていた。
  ・ミスが許されない緊張した業務であった。
  ・従業員本人に精神疾患(精神障害)の既往歴はない。
  ・会社は業務日報等により従業員の長時間労働を
   把握できたにも関らず何の支援も行わなかった。

  等の理由から
  業務とうつ病との相当因果関係を肯定し、
  会社には安全配慮義務違反があったとして、
  会社に対しての損害賠償を認めました。


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これらの判決から、
長時間労働を原因とする
従業員の健康障害が発生した場合に
会社の責任追及がなされるリスクが高い
ことがわかります。


労働時間を適正に管理して長時間労働を削減すること、
会社側から積極的に従業員の健康確保の措置を行うこと
が必要なのです。


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長時間労働のリスクについて
具体的にご相談がある場合は、
二十一世紀総合研究所へご連絡ください!!

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