◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇
経営コンサルタントから、社長様への
 “元気、陽気、そして勇気!” のメッセージ
◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆


1.燃料や原材料の価格高騰


こんにちは。経営コンサルタントの高橋秀樹です。


前々回のメルマガで、「近い将来にコストアップ」というお話を書きました。


すでに、コストアップの影響が出ている業界もあるようで、
今年の5月には、「燃料の軽油価格が上昇し、高止まりし、
トラック業界が悲鳴を上げている。」との報道もありました。


東京における昨年7月30日の軽油価格は
1リットル当たり123.2円であったものが、
今年の7月29日には139.2円と+16円、
13%の増加となっております。


また、今が旬のウナギでは、
「(ウナギの稚魚の)今季の取引価格は1キロあたり248万円と
前年比15%高く、2年前の3倍に高騰している」と、
7月2日の日経新聞に記事が載っていました。


まさに、コストアップ局面に入っている業界もあるわけです。


また、思い起こせば、北京オリンピックの開催された2008年(平成20年)、
建築用に用いるH形鋼の日本国内価格はうなぎのぼり。


前年の平成19年12月には1トン当たり8万円であったものが、
平成20年8月には13万円までに上昇し、
その後下落に転じ、翌平成21年7月には
6万9千円と乱高下をしました。


関係者の皆さんがご苦労されたことを思い出しました。



2.まとめ買いの失敗


このように仕入れ価格が高騰するときは、
経営者の方々は大変に困りますし、悩みます。


そして、
「相当に値段が上がっていますが、このままいったら大変です。
さらに値上がりする前に購入した方がよい。
今なら、“まとめ買い”すれば値引きします」
とのメーカーや問屋の勧めを鵜呑みにし、
“まとめ買い”で、予定外の量の原材料を買い込み、
長期滞留在庫を作ってしまい、失敗したという方も、多いようです。


この失敗を糧に、対策として、
これからは、メーカーや問屋の云うことは鵜呑みにしないで、
相場は一人で判断せず、人の意見を聞いて、
よく見極めて対応しますという答えがありました。


これは大変に大切なことです。


しかし、この失敗の真の原因は
「1人で判断し、相場の見極めができなかった」ということでは
ないように思っています。


一人で判断したからでも、
総合的判断をしなかったからでもなく、
そもそも根本的な間違いは、
「市中相場を読みながら購入する」という考えにあるのではと
思っています。


なぜならば、私は、市中相場は
個人レベルでは読みがたいものであると考えているからです。


それを読まなければならないという思いこみや、
読もうとする無理な意気込みや、読めるという勘違いが、
失敗につながるように考えています。


市中相場の先読みは、
相当に熟練した人でも間違えることがあるように、
個人レベルでは大変に難しいことだと思っています。


商品相場であれ、金融相場であれ、同様でありましょう。


たとえ、メーカーや問屋のご担当から、

「この先も価格が上がりそうで、そうなると大変です!」といわれても、
確かに「価格が上がったら大変」なのでしょうが、
「実際に価格が上がるかどうか」は、誰も保証してくれません。


そして、この言葉を鵜呑みにして“まとめ買い”をした結果、
得をしたのは、

「今後も価格が上がるかも」といって不安をあおって
不要な原材料を売りつけたメーカーや問屋で、
“まとめ買い”をした人はジョーカーを引いたことになります。



3.まとめ買いの失敗の本質


このようなことは容易にわかる事なのにもかかわらず、


 「価格が上がったら大変」
 ⇒「価格が上がる」
 ⇒「今のうちにまとめて買っておこう」と


思考が短絡してしまうのはなぜなのでしょうか?


例えば、皆さんが八百屋さんでキャベツを1個買おうとする時、
八百屋さんから、
「作柄が悪いから値が上がっている。昨日は1個190円だったが、
今日は1個400円だ。でも、3個買えば1050円にまける」といわれても、
皆さんはキャベツを一度に3個買うでしょうか?


恐らく、買わないと思います。


そして、この時の皆さんの行動は、

「それならば1個買うところを、半分にしましょう」となるはずです。


なぜならば、
「キャベツを3個買っても腐らせてしまい、かえってもったいない、
値段が高ければ、キャベツを我慢して
他のもので代用することができるのでそれを考える、
高いと言ったって過去の経験からすれば、その内にまた下がるだろう」と
判断しているからだと思います。


つまり、


①今の価格がいつもより高いことを知っているが、
 価格がこのまま上がり続けるとは思っていないし、
 その先、下がるだろうと思っている。
 (相場の見通しを知っている)


②しかも、キャベツ以外の他の野菜でも代用できることを知っているので、
 なくなると困ると強く思ってはいない。
 キャベツを無理に買わなくても、何とかなると思っている。
 (代替策を保有している)


③まとめて買えば安くなることはわかっているが、
 まとめて買っても腐らせてしまうことを知っている。
 だから、まとめ買いをするなんてバカなことはしない。
 (まとめ買いのデメリットを知っている)


ということを、瞬時に判断をされています。


これと比較すると、


仕事上での原材料購入の時にメーカーや問屋の言いなり、
又は誘導にかかってしまった構造がよく推測できます。


仕事で扱う材料では、


①今の価格がいつもより高いことを知っており、
 今後も価格が上がると判断しているが、その先、
 下がることもあるかどうかわからない。
 (相場の見通し不明)


②他のもので代用できる方法はないし、
 なくなると製品が作れなくなって会社は困ると強く思っている。
 (代替策なし)


③だから、材料をまとめて買えば腐らせてしまう(不良在庫になる)ことが
 あるかもしれないと思っているが、
 背に腹は代えられない。
 まとめて買えば安くなるという特典もあるから、まあいいか、やむなし。
 (デメリットの過小評価)


と考えていることになります。


キャベツのように、


 ・自分で先読みができ、
 ・代替策も考えられ、
 ・なくてもたいしたことではない、
 ・まとめ買いは損、


と考えていれば、当たり前のように、
「購入量を控え、支出を抑制する」と的確に判断できます。


主婦目線の素晴らしいところです。


しかし、よくわからなかったり、知らなかったり、
選択肢がなかったりした場合には、
不安心理が強く働き、メーカーや問屋のお奨めに乗り、
購入量を増やして“まとめ買い”をしてしまっています。


つまり、自分で、
相場の行方、自分の持つ代替策、価格転嫁などの逃げ道、
などを、自らよく知って必要な対策も打っていれば、
対応をまちがえないのに、


自分で情報をよく知らない、対策も打っていないがゆえに、
正しい判断ができずに人のいいなりになって
自分がムダをするのではと思います。



4.対策はこれ


とすれば、まず、


(1)買う対象物の価格の動きを普段から自分で熟知しておくこと
 (相場の見通し)、


(2)そして、価格が上がっても、代替調達先、代用品等を用意しておく、
 その原材料を使わない別商品を準備するなど、致命的にならないような
 代替策を練っておく、
 価格上昇を転嫁する方策を練っておくなどの対抗策
 (代替策の準備)


を打っておけば、あおられてまとめ買いをするような愚は
犯しにくくなるのではないかと考えられます。


そして、これは、


「そもそも先が読めないのだから、相場の先読みに気を使いすぎず、
相場の変動に対抗できる策を用意した上で、
原則通りの購買方針を貫くのが賢明な対応だ」と


言っていることになります。


購買原則とは、


「必要なものを、必要なだけ、その時に手に入る、
最も支出の少なくなる方法で買う」


ということです。


これから、多くの場面で、
仕入れが高くなる局面に相対することになると思います。


その時にこの本質で勝負してください
そうでないと、また間違えることとなります。


心したいと思います。


なお、この考え方は、相場に関心を払う必要はない、
と言っているわけではないので注意をしてください。


相場には十分な関心を払うべきです。


しかし、相場が動くメカニズムがわからないのに、
過度に相場を気にしすぎて、不安心理にあおられ、
購買の本質を逸脱してしまうようであれば、
本末転倒であるということを申し上げるところです。


そして、一番の良策は、
原材料の相場が上がっても下がっても、
儲けが出るような仕組みを作ることにあります。


さらに、原材料の相場が上がっても、それを転嫁でき、
消費者がついてくるような魅力のある商品や売り方ができれば
最高です。



㈱二十一世紀総合研究所は、皆様の企業の元気・勇気・長期繁栄の経営を、
積極的に支援をさせていただく用意があります。
スタッフ一同、頑張って働かせていただきます。
今まで学ばせていただいたことを、しっかり、
皆様に還元させていただきます。


なにとぞ、よろしくお願いいたします。

(公財)日本生産性本部認定経営コンサルタント/技術士
高橋秀樹



★今日の一言 「購買は主婦目線で、コストアップを乗り切ろう!」