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経営コンサルタントから、社長様への
 “元気、陽気、そして勇気!” のメッセージ
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1.アベノミクスの支柱“リフレ施策”の目玉は
  インフレターゲットと通貨供給量の増加


こんにちは。経営コンサルタントの高橋秀樹です。


参院選も後半を迎え、選挙戦にも拍車がかかっています。


安倍首相は参院選候補者の応援演説で、
経済成長率が好転したことや有効求人倍率の改善を挙げ、
「私たちが進める政策は間違っていない。
実体経済は確実に良くなっている」、
「だんだん景気が回っていく。お金もまわっていく」と
主張されています。


一方、「所得が上がったと実感している人は少ないのではないか」
という声も街では多く聞かれます。


さて、「アベノミクス」は、この先どう展開されてゆくのでしょうか。
経営者の方ならずとも、気になるところです。


「金融緩和」「財政出動」「成長戦略」の三本の矢による
「アベノミクス」の理論的支柱は“リフレ派”と呼ばれる理論にあります。

リフレとはリフレーション、即ち、再膨張の意で、


経済学的には、景気循環においてデフレーションから脱却して
マネーサプライ(通貨供給量)が再膨張し、
比較的安定した景気拡大期を指す、とのことだそうです。


現日銀副総裁の岩田規久男氏等、“リフレ派”によれば、


「デフレの最大の問題は(物価下落の継続で)
モノに比べてお金の価値が上がった結果、
企業がお金を使わずに巨額の余剰資金としてため込んでいる状態が続き、
設備投資や消費などが動き出さないといった状況から
抜け出せないことである」


とし、


日本の20年間にわたる経済の停滞、デフレは、
「(さらなる金融緩和を思い切ってしなかった)金融政策に原因がある」
と指摘しています。


そして、
数パーセント程度の緩慢な物価上昇率を、インフレターゲットとして
意図的に定めるとともに、
長期国債を発行して一定期間これを中央銀行が
無制限に買い上げることで、
通貨供給量を増加させて不況から抜け出すことが可能だ、
と主張しています。


つまり、動き出さない状況=デフレ、を打破するキーが、
「インフレターゲット」と「通貨供給量の増加」だということです。


インフレターゲットを設定し、通貨供給量を増やせば、
デフレから脱却し、経済成長、即ちGDPは成長するというものです。



2.どうしてインフレターゲットを設定し通貨供給量を増やすと
  動き出すの?


とすれば、素朴な疑問は、
「どうしてインフレターゲットを設定し通貨供給量を増やすと
設備投資や消費が動き出すの?」、
「どのようなルートで動き出すの?」であります。


岩田氏は、


「デフレは、人々がデフレを“予想”して行動するために起こります。
ということは、人々がインフレを“予想”すればインフレが

起きるはずです。

人々がインフレを“予想”するようになるためには、
(我が国は)金融政策を変えなくてはいけない。」

とお話をされています(2011年02月10日東洋経済オンライン)


また、“リフレ派”であり、安倍首相のブレーンでもある
浜田宏一イェール大学名誉教授も、


「デフレを脱却するには、“予想”、“期待形成”も重要な要素。
最も早く効く」と、自著「アメリカは日本経済の復活を知っている」で
書いておられます。


つまり、

「民間企業がインフレを“予想や期待”し
それに沿った行動をとるように、金融当局が仕向ける」ことが
鍵だということです。


では、民間企業は何を見たり聞いたりしたら、
インフレを“予測や期待”するようになるのでしょうか?


岩田氏は、世界各国の過去の実例を調べてその結果から、

「(政府や金融当局)日本銀行がデフレ脱却を目指す姿勢を
ハッキリと示すことが必要」で、

その姿勢を表すために、
「インフレ目標の導入すること」と、
マネタリーベースである中央銀行の当座預金と
現金を増加させる政策(=通貨供給量の増加)を行うことが
柱になるのだそうです。


通貨供給量の増加は、市中に資金が回らなくても、
日銀がお金をたくさん印刷してその準備預金が増えるだけでも
効果はあるのだそうです。


なぜ、インフレ目標を導入しただけで、そして、
通貨供給量を増加させるだけで、
景気回復への動きがなされるのでしょうか。


岩田氏は、「重要なのはインフレになるという“予測や期待”である」
と言っています。


「インフレになるという“予測や期待”があれば、
民間企業をはじめ、人々は、それに即した行動をとるようになる」
ということのようです。


インフレとは、
「物価が継続的に上昇している状況」、
「需要が供給を上回る状態」、
「モノの価値よりお金の価値が低くなる、目減りする」等であります。


とすれば、インフレになると“予想や期待”をすれば、
人々は、値上がりする前に早くモノを買おうとか、
お金から株に資金を移そうとか、
資金を円からドルに変えようとか、
将来はローンの負担が減るからとローンを組みやすくなるとか、
行動し始めます。


だから、為替相場や、株式相場や、不動産などが動くようになるわけです。


この行動し始めるための決断を人々にさせるのが、

金融当局の“本気”度で、
その“本気”度を表すのが「インフレターゲットの設定」と
「通貨供給量の増加」だということです。


「当局がインフレになると“本気”に思っていることを見せれば、
人々はインフレになると予測する。
予測をすればそのように行動を起こす」


ということのようであります。



3.我が国で起きた深刻なデフレ不況“昭和恐慌”とその脱却


かつて、我が国経済は、1929年秋に米国で起きた世界恐慌の影響と、
時の立憲民政党浜口内閣の井上準之助蔵相による
金解禁(禁止していた金の輸出を解禁し金本位制に戻す)などの
円高デフレ政策で、輸出の激減と海外への金流出を引き起こし、
1930年(昭和5年)から翌1931年(昭和6年)にかけて
「昭和恐慌」と呼ばれる深刻な不況、危機的な状況に陥りました。


この時のデフレ脱却のために
「金輸出再禁止論」、
「新平価解禁論」等という名で呼ばれるリフレーション政策の提言を唱えたのが、
大正から昭和にかけて活躍をされた著名な
民間エコノミストであった高橋亀吉氏らでありました。


この「新平価解禁論」等にもとづいて、
立憲政友会犬養内閣の高橋是清蔵相は、
1931年(昭和6年)12月、金輸出を再禁止し、
金の海外流出を止めました。


そして、デフレ政策を180度転換し、積極財政を採り、
赤字国債発行によるインフレーション政策をとりました。

この結果、円相場は一気に下落し円安になり、
日本は輸出を急増させ、景気も急速に回復し、
1933年には他の主要国に先駆けて恐慌前の経済水準に回復した、
とのことでありました。


この、高橋亀吉氏の講義を直接聞いたある方によりますと、
氏は「景気には“気”というものがある」と
お話をされたとのことで、
私は、
「“気”で世の中が動くことがある」と、
大きな教示を受けているような気がしています。



4.景気回復のルートと数値予測


さて、先日、嘉悦大学教授の高橋洋一氏の講演を聞く機会がありました。
高橋氏は第一次安倍内閣で内閣参事官を務め、
安倍首相とも親しく、アべノミクスに影響を与えている
ブレーンの一人であります。


この高橋洋一氏は、景気回復のルートを以下のように示しておられます。


①マネタリーベースの増加(日銀の通貨供給量の増加)
 ↓
②予想インフレ率増加 <約半年後>
 ↓
③実質金利低下(=名目金利-予想インフレ率) <約半年後>
 ↓
④為替円安、株価上昇 <約半年後>
 ↓
⑤輸出増大、設備投資増大、消費増大 <約半年~2年後>
 ↓
⑥名目GDP増大、失業率低下、賃金上昇、長期金利上昇 <約2年後>
 ↓
⑦物価上昇 <約2年+α後>
 ↓
⑧銀行貸し出し増加 <約3年後>


(注)原図はルートが複数ありますが、紙面上単ルート表現をしています。



つまり、通貨供給量の増加が民間企業や一般消費者の
インフレ期待を高め(実質金利の低下)、
その結果、まず円安や株高を招き、
それらが、輸出や設備投資や消費の増大をもたらし、
ひいては、名目GDPの 増大、失業率低下、賃金上昇などへ
波及するというものでありました。


しかもこれらは単体の事象として起こるわけではなく、
関連して派生して起こるとのことでありました。


昨年11月に当時の野田首相が解散を宣言、
同12月に自民党政権が新たに発足してから、今までに、


予想インフレ率(ブレーク・イーブン・インフレ率)はおよそ
0.7%→1.2%、


円ドル相場はおよそ
80円/$→100円/$、


株価はおよそ
9000円→14500円、


東京都の消費者物価指数(生鮮食品を除く)の前年同月比はおよそ
-0.6%→+0.2%、


完全失業率もおよそ
4.3%→4.1%と、


おおむねルートの示す方向に向かって動いています。


想定の範囲内というところでしょうか。


以上のことを考え合わせると、
私は、「アベノミクスの方向性は、景気回復に向かって、
おおむね正しそうだ」と、現時点では、判断しています。


そして、高橋洋一氏は、現行のアベノミクスの方針に沿えば、
統計的には90%程度の信頼性があるとの上で、
以下のように予測されるとのことでした。


 ・名目GDP成長率:(金融緩和開始後2年後) 3~4%


 ・失業率:(同2年後) 3.5%


 ・賃金上昇率:(同2年後) 3.5%


 ・インフレ率(物価上昇率):(同2年+α後) 2.5%


 ・長期金利:(同2年後) 3~4%


このうち、賃金については、


「非正規雇用のほうが上昇は早く、正規雇用の人はまずボーナスが上がる。
正規雇用の賃金が上がるのは最後。
規制業種の賃金は上がりにくい傾向がある」
とのことでした。



5.経営者の対応


これらは統計分析した結果から導き出されたもので、
データとすれば一定の以上の信頼を置いてもよさそうだと、
私は現時点で判断しています。


とすれば、経営の観点からは、
「賃金(相場)が上がり、仕入れが上がり、金利も上がる」という、
“原価の上昇”が見込まれます。


しかも、時期は、金融緩和開始後2年後ですから、
黒田日銀総裁の新政策の実行を今年の4月とすれば、
今から1年9か月の間に起こります。


このようなことが想定されるとき、経営者の方々は、
どのように対応をしたらよいのでしょうか。


まず、


 ①賃金上昇に備え、人の生産性の向上に手を打ちます


 ②仕入れ上昇に備え、製造工程や仕入れコストの見直し、
  代替品の検討などをします


 ③金利の上昇に備え、調達している資金が変動金利の場合、
  固定金利に切り替えます


 ④原価上昇後に備え、原価の価格転嫁をしやすくする方策を準備します


 ⑤なによりも、景気がよくなるわけですから、
  付加価値の高い商品やサービスの開発を進め、
  市場にリリースします


ということが、肝要かと思います。


つまり、「今、仕込んで、1年9か月の間に“成長する”」
ということであります。


皆様の会社ではいかがでしょうか?
我が国の経済は、景気の回復期を迎えようとしています。


その波を先取りするように、今日から、行動を始めましょう!
まだ、“1年9か月”あります!


頑張りましょう!



㈱二十一世紀総合研究所は、皆様の企業の元気・勇気・長期繁栄の経営を、
積極的に支援をさせていただく用意があります。
スタッフ一同、頑張って働かせていただきます。
今まで学ばせていただいたことを、しっかり、皆様に還元させていただきます。
なにとぞ、よろしくお願いいたします。


(公財)日本生産性本部認定経営コンサルタント/技術士
高橋秀樹



★今日の一言 「アベノミクス、原価の上昇と景気回復の波を先取りして手を打とう!」



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