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トピックⅠ 有給休暇の管理 Part1
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■付与条件
■付与日数
■賃金
■有効期限
■変更
■請求
■事後請求
■不利益な取り扱いの禁止
年次有給休暇(以下、有給休暇)とは
仕事を休んでも賃金を減らされない休暇のことで、
一般的に「有休」、会社によっては「年休」とも
呼ばれています。
有給休暇は労働基準法第39条に規定された
労働者の権利であり、会社の義務です。
会社は従業員に有給休暇を与えなければなりません。
この有給休暇に関しては、
管理が非常に煩雑であったり、従業員とトラブルが生じたりと、
経営者、人事労務ご担当者様を
悩ますことが多い事柄です。
今号と次々号(Vol.52)で
有給休暇の管理について
取り上げてみたいと思います。
■有給休暇の付与条件
雇入れの日から6ヶ月継続して勤務していて、
その期間の出勤率が80%以上の
従業員に対して与えられます。
■付与日数
継続勤務、出勤率80%以上を続けると、
入社6ヵ月後からは
1年単位で有給休暇が増え、
最高で付与日数は20日間となります。
<勤続年数 / 付与日数>
6ヶ月 / 10日
1年6ヶ月 / 11日
2年6ヶ月 / 12日
3年6ヶ月 / 14日
4年6ヶ月 / 16日
5年6ヶ月 / 18日
6年6ヶ月以後 / 20日
勤続期間は入社日(=雇入れ日)が起算日ですが、
勤続年数は会社に在籍している期間と
されています。
したがって、例えば、
病気で1年間休職していたとしても
その休職期間は勤続期間に算入されます。
勤続期間に含めるか含めないのかの
その他の具体事例については、
トピックⅡのQ&Aもご参照ください。
■有給休暇を取得した日の賃金
次の3つの決め方ができます。
①労働基準法の平均賃金
(月給制の場合、3ヶ月間の総賃金÷3ヶ月間の総歴日数)
②当該日、所定労働時間働いた場合に支払われる通常の賃金
③健康保険法に定める標準報酬日額に相当する額
(労使協定が必要で就業規則にも定めておくこと)
⇒②の方法をとられることが一般的です。
月給の従業員の場合は、
有給休暇を取った日について
欠勤控除を行わないことになります。
■有効期限
有給休暇の時効は2年です。
発生年度に全ての有給休暇を消化しなかった場合は、
次年度に限り繰り越すことができます。
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有給休暇の繰越分と新規付与分がある場合に
どちらを先に消化することになるでしょうか。
これについては、法律に定めがありませんので
取り扱いについて、
就業規則等で明らかにしておくと
トラブル防止となり、運用が円滑になるでしょう。
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■有給休暇取得日の変更
有給休暇は原則、
従業員が取得したいと指定した日に
取得させなければなりません。
しかし会社側は、
従業員が指定した日に有給休暇を取得すると、
事業の正常な運営が妨げられる場合には、
「有給休暇取得を他の日に変えてほしい」
と要求できる
「時季変更権」が認められています。
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ただし日常的に業務が忙しいことや、
慢性的に人手が足りないことだけでは、
この要件は充たされないと考えられます。
そう考えないと、人手不足の事業場ではおよそ有給休暇が
とれなくなるからです。
なお、指定した有給休暇日数が多い場合、
労働者側は事前の調整を要求され、
それをしない場合には、使用者の裁量の余地が大きくなると
解されています
( 時事通信社事件・最三小判平4年6月23日)。
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しかし、それぞれが周りへ配慮せず、
好きな時に有給休暇を取得した結果
業務に支障が出るようなことが起こると大変ですね。
会社としては、日頃から、
従業員が有給休暇を取得した際にも
できるだけ業務への影響を抑える体制を作り、
有給休暇を取得する場合の社内のルールを
浸透させておくこと、がとても重要になってきます。
■有給休暇の請求
有給休暇の請求ルールとして、
就業規則等で、
申請方法、申請期限を
明らかにしておきましょう。
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有給休暇を取得しない場合でも
突発的に従業員の欠員が生じた時に備えて、
・業務をチーム制とする、
・定期的に配置換えを行い、どの業務もまんべんなく
行えるようにする、
・誰が今何の仕事をしているのか常に情報共有する、
等の体制を事前に作っておきましょう。
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■事後の請求
病気や怪我で仕事を休み、後でその欠勤を
有給休暇に振替えることがあります。
本来有給休暇の目的は、
従業員に心身をリフレッシュしてもらうことにあり、
事前の申請が原則です。
しかしながら、有給休暇制度を柔軟に取扱い、
やむを得ない事由で仕事を休み、
事後に有給休暇申請をした場合でも
労使の合意があれば振替を認めることを、
あらかじめ就業規則等に明記しておくと
いいでしょう。
■不利益な取扱いの禁止
有給休暇を取得したことによって、
従業員に不利益な取扱いをしないようにしなければなりません。
具体的には、
有給休暇を取得した従業員に
皆勤手当を減額したりするような扱いや、
賞与の査定で出勤率の計算を行う時に
欠勤として扱うことは
不利益な取扱いに該当します。
このようなことが行われると事実上、
従業員が有給休暇を取得できなくなるからです。
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厚生労働省リーフレット
「有給休暇ハンドブック」はこちらから
http://www.mhlw.go.jp/new-info/kobetu/roudou/gyousei/kinrou/dl/040324-17a.pdf
※平成22年労働基準法改正で新たに設けられた
時間単位の有給休暇取得については記載がありません。
(東京労働局発行)労働基準法のあらまし
内に有給休暇についての基本事項の記載があります。
http://tokyo-roudoukyoku.jsite.mhlw.go.jp/var/rev0/0086/4751/2013327142555.pdf
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有給休暇取得をめぐっては、
会社と従業員とのトラブルもよく聞かれます。
あらかじめトラブルを防止できるような
会社内のルール作りが非常に重要になってきます。
二十一世紀総合研究所まで
ご相談ください!
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