複製 | 春昼閑話

複製

歯

この上顎は私の生きた証の複製だ

笑い 泣き 噛み締め 含んだ

全てを知る 証人だ

だが

つめたく白い石膏は

血肉のあたたかさを忘れている

それでも うつとりと 眺めてしまうのは

それら 日常より

逃げ出したい私の感情の 複製だからだ

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歯医者いかなきゃ