大きな岡の上のチェロ日記
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ティーレマンのブルックナー

Antonin Bruckner
Symphony No.5

Christian Thielemann
Orchester der Deutschen Oper Berlin
13 April 1999 Live
 
今年もチケット争奪戦に乗り遅れ、「熱狂」とは程遠いGWでした。。。色々なブログを拝見する限り、やはりセンペは凄かったようですね。トッパンホールあたりが次々シーズンあたりに招聘してくれないですかね。

GWはどこもコンサートをやっていないので、今日はおとなしく家の片づけをしながら昨年のバイロイトの指環を聞いていたら、先日某DLサイトで見つけたティーレマンの昔のライブ録音(=海賊盤?)をgetしていたのを思い出して聴いてみました。

クリスティアン・ティーレマン の詳細はリンク先のwikiを参照してください。以前のヨーロッパの伝統的な指揮者の出世コースである、地方の歌劇場の下振り→(省略)→主要都市歌劇場のカペルマイスターという経歴の持ち主です。完全に国際化が進んでいるヨーロッパクラシックでは珍しいので、向こうでは人気があるようです。(日本ではあまり人気がないようですが。)

ティーレマンのブル5は先にグラモフォンからミュンヘンフィルを振ったものがCD化されています(私はまだ未聴です)。余談ですが、グラモフォンからベト5・7という組み合わせでデビューした指揮者は今までに3人いるそうで、ティーレマンもフィルハーモニア管を指揮したCDでグラモフォンデビューしています。あちこちで叩かれまくっている演奏ですが、私の感想も「重量感」がキーワードになりそうな、巨匠「風」の演奏です(見た目も巨匠っぽいですね)。ちなみにこの王道デビューを飾ったのは他に、カルロス・クライバーとわれらがグスターヴォ・ドゥダメルです。
大きな岡の上のチェロ日記
大きな岡の上のチェロ日記  ティーレマンはベルリン・ドイツ歌劇場の音楽監督を務めた後、ジェームズ・レヴァインの後をついでミュンヘンフィルの音楽監督に就任しました。数年前にもこのコンビで来日しブル5を演奏していましたが、(レヴァインに破壊された)チェリビダッケ以来ののミュンヘンのブルックナーの伝統が復活したようなレヴューをちらほら見かけましたので、よほど凄い演奏だったのでしょう。
 またまた脱線ですが、ミュンヘンフィルとブル5は切っても切れない関係にあるようで、初演もミュンヘンフィルですし、本拠地ガスタイクホールの杮落としもチェリによるブル5でした(翌年にはサントリーホールでもブル5をやっていますね)。こんなわけで、勝手なイメージですがブル5のイメージそのままに、ミュンヘンフィルは濃厚バニラアイスのような弦楽器と生キャラメルのような?重厚なブラスを併せ持っていて、近代化されたベルリンフィルやバイエルン放送響とは異なる「ドイツの」オケだと思っています。チェリ時代の偏見がかなり入っているので、今はどうだか知らないですが。

 さて、本題のベルリン・ドイツオペラ管弦楽団の演奏です。2000年にバイロイト・デビューを果たしたのですから、まさにこれから大指揮者への最終ステップを踏み出そうとしているときの演奏です。普段はオペラ専門のオケですからオケだけの音を聴くのは初めてですが、その音の厚さに驚かされました。特に低弦がうなりをあげて存在感を示しているので、始めはベルリンフィルかと思ってしまいました。ティーレマンの攻め方は正攻法なきがします。演奏会場がやたらと残響があるので(フィルハーモニーでしょうか?)、2楽章や4楽章ではチェリばりのブルックナー休止をやっていてブルックナー感は非常に感じられます。それにしても普段からワグナーの全幕オペラを連日やっているだけあるのか、ブラスがうまいです。誰かが言っていましたが、ブルックナー演奏に必要なのは調和だそうで、このオケはそれを具現化しているように感じました。
 どこかのラジオの生中継を楽章ごとに分けた音源ですので、無編集のはずです。これだけのライブをするオケもオケですが、ティーレマンのコントロール能力も凄いと思います。

 うーむ、これはDGのミュンヘンとのCDとこのオケの別のCDを手に入れなくては・・・といいながらまたCDを買ってしまう。。。

ずれ


大きな岡の上のチェロ日記

Steve Reich


Octet
Music for a Large Ensemble
Violin Phase


Steve Reich and Musicians

気づいたら4月も終わり、ってこんな記事を前にも書いた気がするのですが、この2ヶ月まさにミニマルミュージック な生活でした。世の中ではサクラが咲き→散って→新緑の季節になっているようですが…。

ということでライヒ です。そういえば、一時期日本でも、静かなるライヒブームが来ていた気がしたのですが、いつの間にか消えていましたね。ゲンダイオンガクなんて代物は、自分以上の暗オタが聞くものだと決めてかかっていて、いままで聴く気にもならなかったのですが、昨年末にラトル/BPOのジョン・アダムス
のShort Ride in a Fast Machineを聴いてからというもの、自分の中でプチミニマルブーム到来です。(日本語だと「高速機械で早乗り」と訳されているのですが、もっといい訳ができないのですかね)

単調なリズムの繰り返しの上で徐々に音が加わり無くなっていく。無調の音列の中にもストーリー性が見出せるのはなぜでしょう。
単調な生活の中にもささやかな変化が起こすことってあると思います。というか思いたいです。
Violin Phaseは4台のヴァイオリンのための作品ですが、各パートは基本的に2小節のフレーズの繰り返しだけ。譜面を弾くことは、ある程度ヴァイオリンがさらえれば誰でも弾けます。しかし、設定テンポが一人ずつ非常に微妙にずれているので、曲が進むにつれてずれが大きくなっていき、しかし、最期は最小公倍数の小節でずれが無くなるという、いかにもゲンダイオンガク的な発想の曲です。歩いていると、自分の左右で時間の進み方が変わっているような不思議な錯覚に陥ります。

日常の中の非日常(=音楽♪)を求める方向性として、有機的なドラマチックな方向に行きがちですが、バリバリの無機質な物もたまにはいいんじゃないですかね。


蛇足
最近のJ-POPにかけまして、ライヒと解く。そのココロは…




リズムが単調

CDholic1

久しぶりに新宿に行く用事があったので、ディスクユニオン新宿店へ。
すると、オレンジタグのCDは3点買うと50%引きとのことで...

1.オネゲル:劇的オラトリオ「火刑台上のジャンヌ・ダルク」
 小澤征爾指揮/フランス国立放送管弦楽団&合唱団&少年合唱団
  ―タワレコでも復刻してたCDですね

2.シェーンベルク:管弦楽作品集
 ダニエル・バレンボイム(指揮&ピアノ)/シカゴ交響楽団
  ―金ぴかのイメージのシカゴ響がバレンボイムのネッチリ指揮でどんなシェーンベルクになるのか?
     
3.リゲティ:協奏曲集
 ピエール・ブーレーズ/アンサンブル・アンテルコンタンポラン
  ―最近ここら辺の音楽がツボにはまりそうな気がしてきたので、まずはバイブル的な演奏から。

4.マーラー:交響曲1番&9番
 マリス・ヤンソンス/オスロフィル
  ―安かったので(笑)。高くて購入できなかったのですが、3桁台のプライスに!!

5.ショスタコーヴィチ:交響曲10番 ほか(ソ連でのライブ)
 カラヤン/ベルリンフィル
  ―メロディアから昨年末に発売されていましたが、今回購入したのは海賊版のほうです。気に入った&安くなったらメロディア盤を購入する予定。

6.Patrick Doyle:ヘンリー5世
 サイモン・ラトル/バーミンガム市交響楽団
  ―ジャケットにHenryVて書いてあって、ラトル指揮だったので、当然ウォルトンのほうだと思ったのですが、Patrick Doyleという人が書いた曲だそうで。なんでも映画音楽をラトルが聴いて気に入ったので録音したみたいなことがネットにかかれてました。

7.ブルックナー:交響曲8番 ほか
 ギュンター・ヴァント/ミュンヘンフィル
  ―以前から欲しかったのですが、これも高かったので手が出ず。と思ってたら500円で売ってました。ある意味時は金なり。

7点で3500円以下。中古市場にもCDのプライスダウンの波が来ているのでしょうか。


さらにさらに、横浜Recofanにて
8.ヴェルディ:レクイエム(2001年のライブ)
 ジュゼッペ・シノーポリ/ザクセン州立歌劇場管弦楽団
 ―これは、、、。フローリアン教会の復興基金のために録音されたらしく、教会から直接買わないと入手できなかった気がします。非常に楽しみ。ドレスデン爆撃の日の周辺に、シュターツカペレ・ドレスデンがレクイエムを演奏するのが恒例だそうですが、今年はファビオ・ルイージでヴェルレクでした。

9.マーラー:交響曲6番
 ガリー・ベルティ―ニ/東京都交響楽団
 ―以前ウィーン響との6番が非常に良かったので。

こんなに買うのはまずい気がしないでもないのですが、見つけてしますとかってしまいます。ああ無常。

新日本フィルハーモニー第443回定期演奏会


大きな岡の上のチェロ日記
R.シュトラウス作曲
交響詩『死と変容』 op.24
ベートーヴェン作曲 交響曲第3番変ホ長調『英雄』 op.55
指揮:ダニエル・ハーディング

連ちゃんでコンサート。こんなことできるのも都内・学生という今だけにしかできない荒業です。

先日の幻想が各所で大絶賛のハーディング×在京オケで乗りに乗っている新日組み合わせで、リヒャルトと英雄とくれば、当日も出ないかと思いきや100枚もでてました。もったいない。。。

 死と変容は今年の1・2月にバイエルン放送響やウィーンフィルとの共演をNetRadioで聞いていた限りでは、別段騒ぐ演奏でもなかったのですが、本日の演奏はすごかったっす。冒頭のヴィオラの不整脈リズムから徐々に音が重なっていくあたりの美しさ、ハンパ無いです。薄い絹の布をさらさらと引きずりながら、冷気がふっと忍び寄ってくる感じ。ティンパニの一打の後、金管がブイブイざわめきだすのですが、事前の練習で相当音量バランスを指定されていたのか、楽器同士が掛け合いが明確に出されていたのが印象的だった。やたらとFgとCFgに音量を出させていたのはグロさを出すため? 極めつけはタムタムが鳴った後からフィナーレまでの長大なクレッシェンド。重なる楽器の音量・音色すべてが統一されていて、文字通り徐々に天に向かって歩んでいくような演奏だった。
最期の音が終わった後には耳がキーンとなるような沈黙が20秒くらい。

 さて、メインディッシュの英雄です。数年前にマーラー室内管とモーツァルトの後期3部作をやったときは、変なアゴーギクにうんざりした記憶があるのですが。。。冒頭のチェロの旋律からして突っ走っていかない感じに、ハーディング流の解釈を感じた。12型の対向でバロックティンパニーを使ってるので当然ノンヴィブラートという、今流行のピリオドアプローチ。
 しかし、何か違う。強調された終止やパート間のやり取りなど、今まで耳にしてこなかった部分が誇張されているので、全く新しい雰囲気に聞こえる。先月のブリュッヘンが古典的ピリオドならば、今日のハーディングはモダン的ピリオドとでもいうのか。
 2楽章の不協和音は、神々の黄昏の冒頭の和音(もちろん音が足りないが)に聞こえたり、弦の合奏部はヴィブラート無しなのにねっとりベトベト。まさにメタモルフォーゼンを聞いているかのような重厚な音楽を聴いた。ハーディングでメタモルフォーゼンやってくれないかな・・。
 4楽章はヴァリエーションごとに強烈な個性を出させていた。攻撃的なホルンの咆哮があったかと思えば、お花畑が広がるような木管の甘い歌い口。ここまで変奏曲としての1面を前面に押し出した演奏は今までなかったと思う。

 ピリオド・アプローチの利点を使いながら、あくまでもハーディング流を貫くところ、只者ではないです。ちなみに彼もアラサー指揮者です。巨匠指揮者が絶滅したいま、単にそれを嘆くのではなく新しい試みをチャレンジする「若手」が台頭し、大きな流れを作っていく、そんな時代がもう来ていると思います。
 

新国立劇場 楽劇「ニーベルングの指環」序夜ラインの黄金

6時に新宿駅について、初台まで歩くか京王新線に乗るか迷った挙句、1駅だからと歩き出したら逆行大きな岡の上のチェロ日記 する帰宅ラッシュに巻き込まれもみくちゃに…。
18時30分開演、2時間40分休憩無しという、見てる方も時間的・体力的にキツメのプログラムにも関わらず、オペラパレスの席は8割近く埋まっていました。


実は新国立劇場に行くのも日本人がやるオペラを見るのも今回が初めてだったので、どんなものになるのかは未知数でした。うまくまとまらないので箇条書きで。


・オケ
 東フィルに最近よく来るエッティンガーが振っていました。エッティンガーはバイエルン州立歌劇場などでも活躍しているので、ヨーロッパではオペラ界で注目されているようです。この曲自体をしっかり聴いたことがなかったので比較できないですが、結構横に流れる演奏でしたがパウゼを効果的に使ってたあたりは、指揮者がオペラを良く振る人だからなのでしょうか。
 東フィルはがんばっていたと思います。はじめのラインの流れで弦楽器が全く聞こえなかったときは、別の曲に聞こえましたが、ヴァルハラ城への入場の金管は非常に良かったです。低弦は次回のヴァルキューレに期待でしょうか。

・舞台
 第2場以降は山上とニーベルハイムとを舞台転換の音楽だけで行き来しなければならいので、それぞれの世界を箱型の舞台にしてその中で演技をしていました。神々の住まう山上の舞台の箱に数式が書かれていた意味が良くわからなかったです。(ポスターの中にも数式が書いてあるのがわかりますか?赤いふちの部分が箱のワクです。)

・歌い手
 重要な役は皆海外の人を連れてきていたので、普通でした(笑)。ただ、箱の中で5~6人が演技をするとせせこましい感じがしてしまいました。わざわざ箱の演出を用いたのは、日本人が体格で舞台劣りしないため?と余計な詮索もしてしまったのですが、よくいわれる、日本人にはワーグナーは歌えない、ということはそこまで感じませんでした。


気軽にオペラに行けるという意味では、こういうのもいいのではないでしょうか。
でも、あんなオペラ専門ホール(しかも新国立劇場のオペラ専用)を作っておきながら、公演スケジュールがガラガラなのは非常に気になります。国民の税金が多く使われているのですから、真剣にオペラ制作の方針決定やホールの運営を行って欲しいものです。





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