世の中に浸透しているから知ってはいるが、自分としては機が熟さず、踏み込んでいなかった世界。

それはBluetooth。


電車の中でイヤホンの絡まったコードをほぐす時、周りの視線に対して、いつも、こう思って心の平衡を保つのです。

「今どき有線コード使ってんだと思っているでしょうが、僕があえて有線を使うのには、それ相当の訳があるんだよ」

「このイヤホン、実はね、デンマーク製のとっても音の良いやつなんだ」

「だからねえ、こんなの持っていると、やっぱりこれ使っちゃうんだよねえ」


本当は、まだあの都会的なBluetoothのイヤホンに踏み込めていないだけなのですがね。



そんな僕がBluetooth対応、つまりコードのいらないスピーカーとLPレコードプレーヤーを買ってしまいました。

間にコードがないのにアナログなレコードの音がスピーカーから流れるのですよ。不思議~

来るものあれば去るものありです。家の中の時代が、いきなり変わってしまったため、40年間、カザルスやロストロポーヴィチ、数々の歌曲を奏で、僕の音楽性を育んでくれたレコードプレーヤーは去って行く事となりました。

ありがとう!こんにちの僕があるのは、あなたのおかげです。




ところで大切にしてきた旧オーディオからの入れ替えが気持ち的に結構すんなりいった背景には、こんな出来事があったからなのです。




スピーカーのカスタマーセンターに、ダメ元で、こんな直接的な質問をメールしてみました。
普通、カスタマーセンターって修理の相談ですから、こういう少し枠から外れた、感情を伴うような質問は無いですよね。これで「当方は修理のご依頼専用です。商品の品評にはお答えしかねますので販売店の方に・・・」みたいな木で鼻をくくったような対応だったら、このスピーカーは止めようと少し思っていたのです。ところが夜に送ったメールの返信が、さっそく翌日午前中に来ましたし、内容が親切で、しかも手作りの長文!



最後まで温もりのある文章です。


それで買ってしまいました。
このくらいの情感にホロリとなって堕ちるようじゃ、老後はオレオレ詐欺に引っかかり放題だぞ、と皆様はお思いになるかもしれませんが、この小さなスピーカー、使ってみると温かい音で、とても気に入っています。そして温かいのは音だけじゃなくてカスタマーセンターもですけどね。


という訳で、まさかの通販で人情を感じる事となったおかげで、Bluetoothとは気持ち良く友達になれました。