今年の桜の開花、当初は3月半ばと言われていたのに、結局4月になりましたね。このずれ込み、皆様には何かしらの誤算がありましたでしょうか。例えば、桜吹雪の卒業式を期待していたのになあとか、期せずして満開の桜の入学式になったんだよ!とか。
我が家には、人知れず小さな誤算がありました。
それはお雛祭りから始まります。

うちのは毎年の事ながら、猫に悪戯されない天空のお雛様。
お雛様というものは、世の中の慣習では3月3日が過ぎたら、すぐ仕舞うべしとなっておりますが、待てよ、もう少し出しておいて、お雛様に桜を見せてあげるのも一計じゃないか?それに温暖化で、これからのお雛様は梅じゃなくて、開花の早まった桜と共に過ごす事になるかもしれない。そうすると、うちのお雛様は「桜なら随分昔から見ていますが、それがなにか?」というような、一般的なお雛様達の一歩先を行く最先端お雛様になれるんじゃないだろうか?
と言う事で出しっぱなしにしてみますが、肝心の桜がなかなか咲きません。かれこれお雛祭りから1ヶ月も過ぎると、さすがに気が引けますよ。なぜって傍目には、だらしなさと紙一重ですからね。
そして4月上旬、ようやく開花。
お雛様!たいへんお待たせ致しました。
これが桜で御座います!!
(お雛様の前方は勿論ですが、後方にも桜)

ほぉ、これが桜といふもの・・かっ。こりゃこりゃ梅より随分と華やかかりしよのお。
おお、そうじゃ、これ! 酒をもて!
あこりゃこりゃ~、佳き心持ちじゃ。来年からは桜の時にこそ参るぞよ。
とおっしゃっているかもしれません。
お雛様、すっかりほろ酔い気分でゆーらゆら。
ところが、この時ユラユラしているのはお雛様だけではなかったのです。
お雛様の前方にある我が家の桜も満開。その向こうに広がる空き地にも満開の立派な桜の木が数本あり、その遠近の乱れ咲きが折り重なった、何とも妖艶な美しさを、この日お雛様にはご覧頂いていたのですが、実はこの空き地、数日前からブルドーザーが入り整地しているのでした。以前、開発業者の方が、この土地に来ていた時、この立派な桜は残しますと言っていたので安心していたのですが、今、何だか桜の木が不自然にユサユサしています。
昨日の夕方、他の木が何本もブルドーザーに押し倒されて、無惨な折れ跡を白くむき出しているのを見ましたが・・
まさか、桜は残すって言っていましたよね?
きっと桜の木に巻き付いているツタか何かを取ってくれているんですよね?だから揺れていても大丈夫ですよね?あれっ、でもさっきより激しく木が揺れているけど。ちょっと激し過ぎない?これじゃあ花が散っちゃいませんか?
あっ、なんか桜の木が消えた。
夕方、業者が帰った後に行ってみたら、雨上がりの泥の中に、まだ荒い息の象のように横倒しになっていました。
満開の桜を
よく、なぎ倒せたものだ。
僕は横倒しになった桜の周りを巡りながら語りかけました。最後まで咲きたかったよね?
そうだ、まだつぼみの枝を家に持って帰って咲かせてあげるよ!
枝でも水を吸い上げるのか?
咲いてくれるのか?

数日後、満開になりました!!

でも、この花達、散ったらもう帰るところないのですね。
さて、うちのお雛様、一部始終をご覧になられ酔いも吹き飛んでしまった事でしょう。そして予想外の長期逗留、さぞかしお疲れも溜まっているのではないでしょうか。
ようやく箱に仕舞う時が来ました。お雛様、来年まで、どうぞ ゆっくりお休み下さい。
あれ、箱の中から何やらお声が。
「来年も桜を観るぞよ、忘れるな!」
変な癖ついちゃったかな?
追記。桜は接ぎ木が出来るそうなので、来年、あの桜の子孫をお雛様にお見せ出来るといいです。