ドボルザークのチェロ協奏曲をサントリー大ホールで弾くという、チェリストにとって一生に1度あるかないかの一大イヴェントを間近に控えているというこの日、僕はN響の学校訪問コンサートで沖縄の少し西に位置する久米島へ、弾丸ツアーを敢行して来ました。



那覇空港で乗り換えて、30分ほどで久米島に着陸。
東京では今夜は雪かもと言われていたのに、この日差しです!

家で練習ばかりして煮詰まっていたので、こんな明るい世界が、同じ地球上にあるとは思いもよりませんでした!
まさに別世界!!
到着すると、すぐにリハーサルのために翌日の本番会場となる小学校と中学校に向かいます。
島内の移動はタクシーが便利なので、空港には既にチャーターされた2台のタクシーが待機していました。
ごく自然に乗り込んだ2台のうちの1台のタクシー、この何気ないチョイスが、僕の短い久米島滞在を、忘れ得ぬ思い出にしてくれたのでした。
久米島に滞在中、ずっとお世話になる事となったこのタクシードライバーは、シャイなお爺さん。
その丁寧な運転からは人柄がしのばれます。
トランクへの荷物の出し入れとかで、色々とお気遣い頂くので、お礼を申し上げても何もおっしゃいません。機嫌が悪いのかなと思いましたが、そうではないらしい。
どうやら人見知りをされているようです。
そして、このタクシー、とても面白いのですよ!
何がって、お爺さんの手による数々の共感すべき工夫が車中になされていて、僕は久米島で早速、心が温かくなってしまいました。(気温20℃で身体も暖かいです)
それでは、お客様に満足頂きたいというお気持ちに溢れる、心温たまる工夫の数々をご覧下さい!
まず暑い暑いと言いながら乗り込むお客様のためなのか、団扇&ティッシュ。

僕が、こんな所、改良されたのですね!と申し上げても、あまり反応されない無口なお爺さんですが、実は色々とやってしまっている。そういうところ共感するなあ。自分と同じような人に久米島で巡り会えて嬉しいですよ。もちろん、こんな事、お爺さんには言っていませんがね。
翌朝、9時にホテルを出発する前に、せっかくはるばる来たのだからと、近くの海岸に行ってみたら、ウミガメが来る浜でした!

この日、2公演して、集まった小中学校は7校。全体的には、やんちゃというより思慮深くて、優しい子供達でした。
そしてタクシーのお爺さんからも、子供達からも感じましたが、この島は『愛すべき呑気さと優しさ』に満ち溢れていて、音楽で癒そうと久米島に乗り込んだ我々こそが、反対に癒されてしまったような気がします。






