このところ季節の流れが早いですね。
今年も、そう言えば冬って、あれで終わりだったの?なんて考えているうちに、いつの間にか桜が散ってしまっています。

僕が、人生をかけて臨んだ3月のコンサートの数々も、あっという間に過去の事になってしまいました。

そんな中でも師匠である安田謙一郎先生とのデュオは、先生と沢山練習をしたり、車の中で沢山お話ししたり、ステージ上でのやり取りであったりと、丸ごと『チェリスト安田謙一郎』に接して、思い出深い、とても貴重な経験となりました。
            (東京春祭Twitterより許可を得て拝借)

先生とは、かなり早い段階からリハーサルを始めたので、何度、僕の住む鎌倉から先生のお宅のある茅ヶ崎まで、海っぺりの一本道を通ったことでしょう!
普通、こんなにたくさん練習すれば、本番が近付くにつれ、だんだんと自信がついて安心してきそうなものですが、いつまでたっても心配なのは、なぜなのか?
これは僕が最近感じている『大人現象』のひとつなのでしょうか。
『大人現象』というのは、演奏家として、年々、経験値、深み、味わいが増してきているにも関わらず、それを表出する方法が、身体と共に、年々変化してくる事を、僕の造語で表したものです。
先日、あるドキュメンタリーを見ていたら、有名なバレリーナが同じような事を言っていました。こんな方でも『大人現象』があるのかと思うと、少し安心します。


そんな大人の筈なのにコンクール前のような緊張を味わいながらの先生とのデュオ&無伴奏コンサートも終わり、二宮の合奏団での先生との共演も終わって、これにて安田謙一郎先生との共演も、しばらくないなあという帰り道、もちろん先生を僕の車にお乗せして茅ヶ崎のお宅までお送りして、感謝とお別れのご挨拶をしてから、ひとり車に乗り込み、通い慣れた海沿いの道を走り出すと、

「ああ、何もかも終わったあ!」

という喜びの半面、何故かしんみりした気分になってしまったのも事実です。
きっと、大変だけど純粋だった日々が、今の瞬間から過去の事になり始めているのが寂しかったのでしょう。

嬉しいんだか寂しいんだか分からないまま、しばらく車を走らせていると、ちょうど江ノ島に差し掛かったあたりで、真っ暗な海から、突然、花火が打ち上がるではありませんか!!
えっ?今って何月だっけ?と一瞬 頭が混乱します。まさか神様からのご苦労さま花火?神様って、そこまで僕のスケジュールを把握しているのか?
とにかく偶然過ぎる花火です。

季節外れとはいえ、やはり花火というのは、華やいだ気分にしてくれますね。そして、コロナ以前、大勢の人々と砂浜で一緒に花火を見ていた頃の懐かしい雰囲気が、一瞬蘇りました。


一方、こちらは、もう1つの思い出深きコンサート、Kバレエ「白鳥の湖」最終日にオケピットで撮ってもらった写真です。
オケピットの中にいると、休憩時間とかに、お客様が上から見物されるのですね。我々は動物園の動物気分でしたよ。
ベテランの方がおっしゃっていましたが、水平方向だと、お互いジロジロ見るなんて、普通出来ないけど、オケピットの中にいると、動物のように上からジロジロ見られるし、こちらも下からジロジロ見上げても、何とも思われないのだそうです。実際、動物と目が合って、視線を逸らす見物人なんていないですもんね。
N響では、まず経験出来ないバレエ、そしてクライマックス愛の場面でのチェロ・ソロは、いろんな人からの忠告通り、やはり緊張したけど、とても楽しかったです!

さてさて今回、またもや増えた経験値、今後の演奏に生かすべく、精進せねば!!