本日、『第15回ハヤカワ国際フォーラム with アカデミーヒルズ「マイケル・サンデル教授特別講義・日本版」』に行って来ました
サンデル教授はハーバード大学の政治哲学の教授で、今年の4月~6月にかけてNHK教育で放送された「ハーバード白熱教室」という番組が日本でも注目され、著書の『これからの「正義」の話をしよう』はアマゾンでNo.1のベストセラーになっています。
その人気のサンデル教授を日本に招いて、25日には東大の安田講義堂で「白熱教室 in Japan」が開催されました。
今回の講義は、著書の『これからの「正義」の話をしよう』の出版元の早川書房とアカデミーヒルズの主催による講演で、白熱教室と同様に、会場に質問を投げかけて、その判断の倫理的正当性を問う、対話形式で講義が行われました。
今回は、「市場の道徳的限界(the moral limits of market)」というテーマで講義が行われました。
まずは、正義を下記の3つの定義に分けます。
1.幸福の最大化 (ベンサムの功利主義)
2.人間の尊厳 (カントの哲学)
3.美徳の尊重 (アリストテレスの哲学)
ケース1はダフ屋の話
コンサートやスポーツのチケットが高額な金額で売られることは、倫理的に許せるか許せないか?
ちなみに、今回のサンデル教授の講演のチケットを5万円で売ってくれとネットで呼びかけた人もいたそうです。
この場合の賛成と反対は半々
例を変えて、中国の医者に診察をしてもらう整理券を高値で販売することは、倫理的に許せるか許せないか
中国では、医者の診察を受けるのに時間が掛かるので、ホームレスを使って事前に整理券をもらい、列に並んでいる人に整理券を高値で売るというビジネスが横行しているそうです。
この場合の賛成と反対は反対派が多め
続いて、アメリカで、医師の診察がすぐに受けれない為、年間5000ドル払えばすぐに医師のアポイントが取れるというコンセルジュ・ドクターは倫理的に許せるか許せないか。
この場合は、賛成と反対が半々
それぞれのケースで出される事例の賛成派と反対派の意見を発言してもらいディベートが行われました。
売り手も買い手も納得して売買が成立しているのでOKという意見もあれば、お金持ちの人は買えるけど、お金が無い人は買えないので不公平という意見、コンサートやスポーツのような娯楽ならいいけど、医療のような命を扱うことをビジネスにするのは反対という意見もありました。
このディベート、自分の意見では無く、基本になる3つの正義の軸に照らし合わせて考えなくてはならないので、なかなか難しいです。
私の場合、売り手も買い手も合意しているんだし、お金で解決できるのって、ある意味平等じゃんって思っていますが、この場合は個人的な意見になってしまいます。
こういう考えは、今回の講義では出てこなかったですが、リバタリアニズム(自由至上主義)って考え方だと思うんだけど、今回の講義の定義には出てきませんでした。
こんな感じで、親が多額の寄付金をする場合は入学試験の合格点に届かない子供の入学を認めるか否や、最新の遺伝子工学で男女の産み分けができるようになったがデザイナーズ・ベイビーは認める認めない等の例があげられました。
最後は、サンデル教授によるまとめですが、人間が何でも支配しようと思ってはいけない、ある程度謙虚にならなくてはならないと、美徳を重要視した意見を述べていました。
会場の椅子が、あまりに堅くて、最後の30分くらいは集中力が切れかかっていたので、ニコ動で見返さなきゃ・・・という状態ですが、日本人の精神だと思っていた「美徳」をアメリカ人であるサンデル教授に説かれ、不思議な気分のまま終了。
会場で講義に参加して思ったのが、今回参加している人のレベルが超高かったと思います。
私の右隣に座っていたマダム(60代くらい)は、同時通訳の機械を使わないと思ったら、iPadで英語でメモを取っていました。
左隣の女性(20代)も同時通訳無しで、メモは英語。
回りの人のノートを覗いたら、半数位の人が英語でメモ取ってました。
ディベートに参加する人で、英語で発言する人もいたので、英語コンプレックスに拍車が掛かりました。。。
また、25日の東大での講義内容をWebニュースで確認したら、テレビでの放送や著書に書かれている例が多かったのですが、今回の講義内容は新しいテーマだったので、どういう展開になるのかも興味を持って聞けました。
ともかく、会場で講演を聴けたのは、非常に貴重な体験です!!
しかも、講演後、混雑するエレベーターを避けて、ライブラリーのソファーでPCを使っていたら、サンデル教授が通りがかり、握手してもらいました!!
アカデミーヒルズの先着50人枠で参加できたし、アカデミーヒルズに入会していて、本当良かったです。
今回の講義、ニコニコ動画のプレミアム会員だと、1週間度まで見れるようです
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