長い間ご無沙汰していました。いま夏真っ盛りの8月のようですが、えっ?6月とかあったの?ぐらいな感じで過ごしていました。
私が数年前に拾った犬、『バロンのいま』についてリクエストがありましたので、大変遅くなりましたがアップします。
さて、捨て犬だったバロンがうちに来てからもう随分経ちますが、彼はとても元気にしています。
あの暴君がどう変わったかというと、まず、どの方向へ行くにも大きく避けなければ通れない或いはそもそも避けようがない場所に陣取り、不思議なオーラを放ちながら背を向けて座った状態でジッとするという新ワザを数年前から駆使するようになりました。
これは、
「苦しゅうない。触るがよい」
という意味みたいです。
犬って撫でて欲しい時は体を寄せてきたり頭を寄せてきたりするものだと思っていたのですが、それはプライドが許さないようです。稀に気が向いてそう言う行動をすることもあるのですが、割合にして1%未満でしょうか。
とにかく通常は後ろ姿から不思議なオーラを出しながらジッとしています。
当時、すごく凶暴で俺様な性格だったこの犬を慣らすために様々な『犬の飼い方』『犬の気持ち』などなどの本を読み漁り、出来ることは全部実行しましたが、全滅しました。
たまに、これはもしかしたら⁈という僅かな期待すら、数秒後には盛大にぶち壊してくれる暴君バロン。自分からうちに来たくせに、人間なんか眼中にないこの犬に対して、毎日恐怖でした。だって唸って噛む気アリアリなんだもん。
一筋縄ではいかないこの犬がいったい何を考えているのか分からなくてマイラに泣きつくと、マイラ曰く「この犬の心の中にはもう月がいる。月しか入れないから、私にはこの犬の心の中は見えない。月が自分でなんとかしなきゃダメ」とのこと。
ふりだしに戻る。
以前飼っていた二頭はどちらも中型犬で、合図をすれば横に付いて歩くし、外で走り回っていても『Stop』と言えばすぐに動きを止めました。同じやり方で教えても全然ダメ。聴く気なし。
いろいろ試行錯誤した結果、教え方とかそういうことじゃないみたい…。なんていうのかな、犬が、そういうやり方は嫌いなのだと理解しました。
例えば、普通は犬に「伏せ」を教えて、いつでもどこでも「伏せ」と言えばすぐに伏せることで人間はその犬を“賢い”と判断します。
ところがバロンは、そういった芸目的で伏せとか言ったところでやりません。チラッとこっちを見ますが、やりません。でも、「ちょっと時間かかるから伏せて待ってて」と言うと、ゆっくり伏せてそこで待っています。言葉の意味はちゃんと理解しているけれど、やりたくない時はやらないみたいです。ってかやれよ。
だから「お手」とか、いわゆる『芸』は当初教えませんでしたが、意味は理解しているのでご機嫌な時に言ってみると一回ぐらいなら合わせてくれることもあります。なんだか私の立場が弱いですが、まぁ、そんなもんです。
とにかくすごくプライドが高くて、頭がいい。人間の命令どうりに動く賢さでは無くて、自分で判断・理解する賢さ。無駄なことはしないし、人間の機嫌はとりません。
マイラにこの犬のことを「なんか月兄みたいな犬だなw」って言われたことがあるんですけれど、
少し意味が分かりました(笑)
そんな犬と何年か過ごし、いまは凄く信頼して貰えていると感じています。当初は寝る時も伏せの状態を崩さず、横になるような、お腹を晒すような体勢は絶対にとらなかったのが逆に懐かしいです。
ただ、ぎゅ〜と抱きしめると何故か大きなため息をつかれます…。
よく『犬の飼い方』の本に書いてある言葉、威厳を持って接しなければいけない。犬より格下だと思われてナメられてはいけない。犬に人間がボスだと分からせなくてはいけない。確固たる【主従関係】を築くことが重要って。
私もそうだと思ってました。この犬を飼うまでは。
よく、犬の要求に応えてはいけない。犬が自分が偉いと思い込むからって書いてありますよね。
でも実際はそろそろご飯とか、そろそろ散歩とか犬のほうから伝えてきて、むしろ言ってくれないと忘れる私にとってはなにかと便利です。
この前もやたら手を軽く咥えてくるから何かと思ったら、夕食あげ忘れてました。教えてくれなかったら夕食抜きでしたねー。いやぁ、よかったよかった。
散歩とかも「そろそろ時間じゃないか?」って様子を見に来るんですけど、忙しそうに見える時は黙って立ち去ってます。そうでなくても「まだダメ」と言えば騒ぎませんし、それでまだ騒いでたら「あぁ、もう我慢できないんだなぁ」って(笑)
散歩したいとか、ご飯食べたいとかの犬側の要求に私が応える形になっていますが、これで唸ってきたり噛み付いて来たりすることはありません。
だから本に書いてある「威厳を見せつける」とか、「命令に従わせる」とか、押さえ付けて言うことを聞かせるやり方って、違うんじゃないかな?と思い始めたんです。少なくとも、バロンのようにボスになる気質を持った犬には全く通用しなかったです。
だから主従関係って、無理矢理に人間の意に従わせることじゃなくて、犬のほうに、こいつの話なら聞いてやろうって思ってもらうことじゃないかなと思いはじめたんです。
犬と喧嘩したら絶対すぐ負ける自信ありますけど、そんな弱っちい人間に付き添い、必要な言葉は理解して行動してくれるこの犬を見ていると、心からそう思うのです。
こんな感じでバロンは、“犬の飼い方”というものに大きな疑問を持つキッカケを作ってくれた犬です。
相変わらず暴れん坊で俺様ですが、かつて兄様が言った【幸せな未来】は、ちゃんと実現しました!
ぜったい犬じゃなくて本当はオオカミなんだと常々思ってます…。

