<概略>[*1]

  • 20年後、あなたは何歳だろうか?
    ひとつ確実なことがある。それは、人間が必ず歳をとることだ。
    iPhoneが発売されたのは、たった13年前だった。現在、スマートフォンがない世界なんて考えられない。そして、これまでの10年より、これからの10年の方が世界は大きく、早く変わるだろう。
    テクノロジーだけでなく、ほかのことも、気づいたときには手遅れになっているのが人間の性である。地震や災害も、リスクをわかっていながらも被災するまで手を打つ人は少ないし、明らかに社会制度は破綻しつつある。人口は増えず、老人ばかりの国になるし、環境問題も悪くなる一方だ。
    これまでと同じように暮らしていたら、今の年齢によっては取り返しのつかない可能性もある。
    この本は、あらゆるデータから導き出されるありのままの未来を書いた。「今日」にはこれから起こることの萌芽がある。現在を見つめれば、未来の形をつかむことは誰にでもできる。
    本書は、ただ知識を得るためだけの本ではない。読んだ後、俯瞰的に未来を考えられる力がきっとついているだろう。

<備忘録>

  • 新しいテクノロジーが世の中に出てきた際、人は無意識に懐疑的になる。日本ではiモードが普及していたこともあり、iPhoneは発売当初、苦戦していた[*2]。
  • 全く新しいテクノロジーが突然開発されることもあるが、歴史的にはすでにある技術の改良や組み合わせで登場することが多く、現在をそうした視点でみることで未来を想像することもできる。
  • 日本の保険料は徴収漏れが多く、その要因の一つとして税金は国税庁、社会保険料は日本年金機構が管轄しているからだ。先進国だけではなく旧共産圏でもこれらのふたつの機能は「歳入庁」として一本化されているのは常識となっている。しかし日本では、各省庁の利権から一本化が進むことはなかった[*3]。
  • 退職金は「賃金の後払い」のような仕組みであり、若い時は給与が安く、50代でピークを迎える。勤続年数が退職金に比例するため「今更やめたら損」という意識を持たせ、人材を確保してきた。

<考察>

  • テクノロジーに関して、自動車業界では十数年前の電気自動車(Battery EV)、即ちテスラ(=イーロン・マスク)がそれに該当する。テスラの発売当時、自動車メーカーはテスラがこれほど自動車(BEV)業界をリードするとは想像もしていなかった。逆に、足元、米国ではBEV需要が鈍化してきており、ハイブリッド(HV)が人気となってきている[*4]。こうした状況においては、BEVだけでなくHVも含めたマルチパスウェイ戦略を貫いてきたトヨタに注目が集まっている。
  • 歴史的に、フィルム写真からデジカメ、そしてスマホカメラへの移行[*5]やブラウン管テレビから薄型テレビへの移行[*6]は、“スナップショット”のように変化してきた。一方で前述の通り、BEVに関しては(中長期的には踊り場を迎えながらも主流となると思われるが)スナップショットのようには進んでいないのが現実である。
  • こうしたバランス感覚は非常に難しいが、重要なことはただ単に流行りものに飛びつくのではなく、企業の提供価値と強み・弱みは何か、外部環境は短期・中期でどのように変化するのか、競合はどうリアクションするのか、what-ifで考えた際にどんなシナリオが考えられるのか、を地に足をつけて考えることが必要となる。そして、変化の激しい現代においては、潮目の変化を捉え、“ココ”と判断した際には一気に舵を切る経営の判断も求められていると感じた。
 
=========[引用開始](p18)=========
だが今や子どもから大人まで、寝る間を惜しむどころか、歩きながらもスマホをいじることが社会問題になるほど生活に欠かせない存在になっている。そして、このiPhoneが登場したのはわずか13年前に過ぎない。
新しいテクノロジーに対して、ふつう、人は懐疑的になる。そういうものなのだ。だからこそ、いち早くその可能性に思いを巡らせられる人にはチャンスがある。
===========[引用終了]===========

 

=========[引用開始](p22)=========
アインシュタインを例に引かなくても新しい技術は突然現れない。すでにある技術の改良や組み合わせで登場することがほとんどだ。
(中略)
何がいいたいかというと、現在を見渡せば、未来は見えるということだ。
===========[引用終了]===========

 

=========[引用開始](p23)=========
現在の時点で多くの人は信じないかもしれない。しかし、20年後は、スマートフォンのように誰もがあたりまえに利用しているはずだ。
そこでは、多くの人はドローンや空飛ぶクルマは便利だと思って使っているだろうが、そのテクノロジーはすでにもう過去のものになっている。今現在、20年後のドローンや空飛ぶクルマのことを考えている人に先見性があるのだ。
新しいテクノロジーが出てきたときに懐疑的になるのが人間の性だといったが、おそらくこの本を読んでいるあなたは今より未来を良いものにしたい人だろう。
===========[引用終了]===========

 

=========[引用開始](p134)=========
先ほど、保険料は徴収漏れが意外に多いと書いた。なぜ漏れが多いのか。それは、税金の徴収と社会保険料の徴収を、別々の組織が行っているからだ。税金は国税庁、社会保険料は日本年金機構が徴収している。
===========[引用終了]===========

 

=========[引用開始](p136)=========
一本化すれば、税金や社会保険料を効率的に徴収でき、その上人件費を大幅に抑えることもできる。誰もがそう考えるだろう。先進国のみならず旧共産圏でもこれらのふたつの機能は「歳入庁」として一本化されているのは常識だ。
日本でも歳入庁構想が浮かんだことはあるが、実現していない。財務省OBなどによると、この原因は役所の利権によるものだと指摘されている。
===========[引用終了]===========
 
=========[引用開始](p156)=========
退職金は、給料が安い代わりに退職時に多く支払うことから生まれた
(中略)
つまり、企業にとって退職金は「賃金の後払い」のようなしくみだ。
===========[引用終了]===========
 
=========[引用開始](p)=========
若い頃の給与は安いが、その後給料は50代中盤頃にピークを迎え、退職金で住宅ローンを一括返済し、老後も安心。昭和のサラリーマンがなかなか転職しなかったのも、勤続年数が退職金に比例するため「今更やめたら損」という意識を持たせたのも大きかった。
(中略)
昭和のサラリーマンの人生が所属企業と一蓮托生だったのは、浪花節的精神を持ち合わせていたわけではなく、金銭的に明らかにそのような選択が合理的だったからに過ぎない。それを象徴するのが退職金だったのだ。
===========[引用終了]===========
【参照情報】

[*1]成毛 眞.2040年の未来予測 Kindle版.2021年1月8日

[*2]日経XTECH.「日本初登場のiPhoneは携帯電話として「あり得ない」デキだった」

[*3]ダイアモンドオンライン.「「歳入庁」という誰も反対しない構想が実現しない理由」

[*4]東洋経済オンライン.「アメリカでEV販売が急失速、政府目標に"暗雲"」

[*5]フィルム時代まで縮小したデジカメ市場の今後

[*6]Yahoo!JAPANニュース.「年齢別のテレビ普及率の実情をさぐる」

 

(いずれも最終閲覧日:2024年2月18日)