繰り返しみる同じ夢のより・・・


若者がひっそり一輪の花を育ててました。芽を作り、蕾を見せ、花びらを咲かせる瞬間までを見届けました。


その花は荒れた大地にぽつりと寂しく咲きましたが、若者は花びらを散らせない様に、そして枯らさない様に雨が降れば傘を差し、崖の隙間から突風が吹けば風除けになりました。


ある日、花にあげる為の水を取りに行く近道として、近くの「洞窟」を見つけました。



しかし・・・その「洞窟」はかなりの暗闇の為、自分の身のことを考えて歩かなければ出口には到達出来ない・・・と言う事を若者は悟りました。


「花」は危険だからいいよって若者に伝えるのですが・・・


若者はいつでも充分すぎる程ある水さえあれば・・・いつまでも花には元気になって欲しいと願いや夢がありました。


何日も・・・洞窟を行き来しては出口が見つからない状態が続き・・・いつしか若者の夢は花の事を思わなくなってました・・・


花も若者が来なくなってしまってる事には気付いてました。でも・・・水の事よりも無事に若者が元気な姿で現れるのを信じて待ち続けてました。


雨の日も・・・風の強い日も・・・


大地に力強く張っていた根は徐々に縮み、綺麗な模様を醸し出した花びらは一枚ずつ散って行き・・・

それでも帰ってくるのを花はずっと信じて待ち続け・・・


洞窟を通る事ばかりを考え、廻りを見失っていた若者は、自分の本当の大切な事を思い出し花の元へ
駆けつけたのですが・・・


その大地にはもう・・・花はありませんでした。


若者は失って初めて大事な事・・・スタンド・バイ・ミーが大事な事に気付きました


あの花は・・・枯れてしまいましたが死んだのではないと思います。


きっと風に吹かれながらも・・種子を飛ばし違う場所へ花を咲かせる為に旅立って行ったのだと思います。


そしてまた・・・若者の心の中に花は生き続けるでしょう。