新型コロナウイルスの猛威はいまだに続き、これまでのコロナウイルスから変化し、様々な変異株のウイルスが広まっていくことで、今まで常識的だった対策では不十分な状況になりつつあります。その一方で、現在も政府が行うコロナ対策などはあまり的を射たものとは言い難く、国民たちの行動に頼った対策だけでは限界を迎えると同時に、経済的にもっと賢いやり方があるはずだとアシストマーケティング代表を務める森田香央里さんは怒り気味に疑問をぶつけます。

 

セルフジャッジの癖

 
2020年4月あたりに緊急事態宣言が発令した際には、得体のしれない恐怖のウイルスという印象もつき、かなり厳しい処置がとられました。娯楽のほとんどはできず、すべてを犠牲にした気分になっている人も少なくありませんでした。それが段々と緩み始め、緊急事態宣言が出ても特に厳しい処置があったという感じもなく、普通に事が運んでいっています。確かに飲食店では大変厳しい状況を迎え、映画館や舞台など芸術関係の産業も大きな打撃を上けており、厳しい処置が全くないわけではないでしょう。その一方、Zoomを使った飲み会みたいなことを今も行っている人は多くなく、時間を迎える前に早めに飲んでしまう、東京以外で飲むなど、それぞれのセルフジャッジで判断しているケースも増えており、森田香央里さんはこの状況に苦言を呈します。

セルフジャッジをする際、基本的に人間は自分にとって甘い判断をしがちです。これくらいは大丈夫だろう、ちょっとぐらい気を緩めてもいいだろうと思ってセルフジャッジを下しやすく、のちに痛い目を見る場合も出てきます。もしここで出かけたら100%感染し、家庭内感染を100%起こすとわかっていた場合、誰も出かけようとはしません。ただ、普段通勤通学をする中で、感染の経験がないと、遊びに出かけた先で感染するとはなかなか想像できないものです。セルフジャッジに任せると、たとえ緊急事態宣言が出て呼びかけを強化しても限界があると森田香央里さんは疑問を投げかけます。
 

テレビの影響

 
マーケティングを生業にし、ネット広告にも力を入れる森田香央里さんにとって、テレビやラジオの動きは気になります。コロナ禍のテレビ番組を見ていて森田香央里さんは強い疑問を持ちます。それはテレビだけがマスクをできるだけせずにコンテンツを展開しているからです。旅番組を見ても、撮影の時だけ感染対策として非常に乏しいマウスシールドをつけ、スタジオでの収録では誰1人マスクをつけません。一方、スタッフたちは厳重に感染対策をしており、その温度差を感じずにはいられないと森田香央里さんは感じていました。にもかかわらず、SNSではテレビはコロナを煽っているという声が少なからず存在し、SNSマーケティングにも力を入れる森田香央里さんには興味深い食い違いが見られます。

確かに新規感染者の数字だけが独り歩きし、その他の指標はあまりチェックされません。最大の理由は、視聴者が新規感染者の数字しか興味を示さないからです。見た目の数字に一喜一憂するのはマスコミだけでなく視聴者も同じです。もしその他の指標に対する興味関心が増せば、状況は変わるでしょう。
 

自宅に直結した経済対策で巣ごもり

 
森田香央里さんが考えるのは、自宅に釘つけにさせるような対策をとることで人の流れをできる限り地元にとどめさせることができるのではないかというものです。通勤通学では公共交通機関を頼らなくてはならず、通勤の時間帯には多くの人が移動します。もしテレワークやオンライン学習を行ってもらい、そこに補助金や奨励金が出て、企業や労働者、学生に費用負担軽減を感じてもらえれば、オンライン学習やテレワークに舵を切る可能性は出てきます。

UberEatsのようなデリバリーサービスに関しても、配達員に対して補助金を出して報酬が上がるようにすれば成り手は増えますし、利用する側にも積極的にクーポン券が発行されれば、周辺地域の飲食店も潤います。どうすれば家にいてもらい、しかもその方が得だと感じてもらえるのか、このことを考えてどんどんお金を投じていけば、劇的な変化があるかもしれません。いつまでたっても、飲食店潰しのようなことをしても、テレワークやオンライン学習は増えません。外で缶ビールを片手に飲み会をされたら何の意味もないです。でも、家の中で飲む分には問題ないわけです。オンライン飲み会など誰でも簡単に行えて、その方が得であると思わせる施策がもっと出てきてほしいと森田香央里さんは考えています。