12月27日の聴き耳club Bで扱ったリスニング題材は以下の通りです。
ロシアの発明家の波乱万丈の人生
theremin[ˈθɛrəmɪn]という楽器をご存じでしょうか。日本語では「テルミン」と呼ばれていますが、2020年に誕生百周年を迎えた一風変わった電子楽器です。
(https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%86%E3%83%AB%E3%83%9F%E3%83%B3)
今回はこのテルミンを発明した人物の話題でした。
1917年のロシア革命(the Russian Revolution)の直後、ロシアの発明家Leon Thereminがガスの濃度を測定する電子機器を作ろうとしていた時に、手の位置によってその装置が出す音が変化することに気づきました。彼は音楽家でもあったため、この発見を利用して、手の位置によって変化する電磁場を生み出す楽器、テルミンを発明しました。(He developed his discovery into an instrument which produces electromagnetic fields which are affected by the hand position.)
この発明は当時のソ連の指導者Lenin(レーニン)の耳に入ります。彼はテルミンにいたく感動し、この楽器を自慢しようとThereminをヨーロッパやアメリカに派遣します。
1929年にThereminはアメリカの企業と契約しテルミンの生産・販売に乗り出します。しかし運悪くウオール街の株の大暴落(Wall Street Crash)がアメリカ経済を直撃し、テルミンはかなり高額だったため売り上げが伸びず、生産は中止になりました。
Thereminはアメリカで黒人のバレリーナと結婚したこともマイナスに働きました。人種差別の激しい時代ですから、投資家が離れて行き、彼は結局ロシアに帰国することになります。
帰国しても不幸に見舞われます。当時ソ連はStalin(スターリン)が支配し、Thereminは反革命主義者(counter-revolutionary)という不当なレッテルを貼られ1969年に投獄されます。しかし彼は国家のために軍事防衛技術の開発に協力します。この間西洋では、テルミンは話題となり続けます(In the West, the theremin continued to make waves.)
make wavesは直訳すると「波を立てる」ですが、言い換えるとdisturb the status quo 「現状を乱す」で、いい意味でも悪い意味でも用いられます。ここでは、「話題を呼ぶ、新風を吹き込む」といった意味合いで使われています。
テルミンはたくさんの映画のサントラや歌で使用されています。例えばイギリスの映画監督Alfred Hitchcock(アルフレッド・ヒッチコックの Spellbound(白い恐怖)やアメリカのロックバンド、ザ・ホワイト・ストライプス(The White Stripes)のリトル・ピープル(Little People)などがあります。
Thereminは1993年に97歳でこの世を去る直前までテラミンを演奏し続けましたが、今も彼のレガシーは生き続けています。(His legacy lives on.)
以上です。