つい医療や介護のことを書いている記事を見てしまう。

そのため、上位に記事が上がって来る。


今日読んだ記事に、「うちの施設は身体拘束がない」と書いてあった。

知らない方が読むと「なんていい施設なんだ」と思うだろう。

しかし、介護保険法で身体拘束は禁止されているから当たり前だ。


つまり、どの介護施設でも身体拘束はしてはいけないと言うことだ。

例外として、切迫性、非代替性、一時性がある時だけ認められている。


もう少し詳しく言うと、

本人または他の利用者等の生命や身体が危険にさらされており、

かつ身体拘束しか方法がなく、一時的な場合にのみ認められる。


身体拘束と聞けば、拘束だから縛って動けなくするような

そんなイメージがわくだろうか。

点滴を抜くので手を縛るというのは身体拘束だが、

直接身体を縛らなくても、

本人の行動の自由を制限する事が身体拘束に当たる。


例えば、自分で起き上がってベッドから落ちてしまうような方に、

ぐるりとベッド柵を入れてベッドから降りられなくするのは拘束だ。

それをベッドに4ヶ所柵を入れるので4点柵と言う。

少なくとも一ヶ所は開けて降りれるよう3点柵以下にしなければならない。


ある方は車椅子を駆動していて頭から前に倒れ、

頭を切って出血する事故が起こった。

何年もやっていて、たった1回の事だけど、

危ないのでやめてもらおうとの声が上がった。


しかし、息子様より駆動は続けて欲しいとの希望があった。

私は、車椅子駆動をする時だけ、

倒れないようベルトで体幹を固定することを提案した。

ご家族と拘束委員会でベルト使用の了承が得られた。

その方は今日も安全に駆動を続けている。


身体を拘束しない事で、

事故の可能性がものすごく高くなる方がたくさん入居している。

認知症のため危険の認識が薄くなってしまうからだ。

本人の行動パターンを知り、見守りを多くする事で、

いち早く対応できるようスタッフは神経を尖らせている。


Iotを使った見守り機器がものすごい勢いで開発されている。

居室に行かなくても全体を見守れることにすごく魅力を感じる。

しかし、設置するには高額過ぎてお金がついていかない。


そう遠くない未来にどの施設でも設置されていることを願う。

見守り機器が、私には介護人材不足の救世主のように見えている。