その方の人生最後の期間は幸せであったか。
幸せの価値観は人それぞれだけど、
今の置かれている状況を理解し、それに合わせて楽しめる方と、
過去にとらわれて後悔ばかり口にする方がいる。
何でこんなに出来なくなったんだろう。
こんな病気になるとは思わなかった。
こんな状態で生きるのは辛い。
死にたいけど死ねない。
80を優に越しいるのに出来ると思うのか。
もっと生活に注意していたら、ならなかった病気もあるだろうが、長生きしたのだから避けられないこともある。
死にたいと言いながらも、日々の不満がたくさんあって、
自分を一番大切にして欲しい、
さみしい、生きたいって言っているように聞こえる。
これから人生の最後までどう過ごしていくのか。
それはあなたの気持ちの持ち様ではないか。
口の先まで出そうになるが、言葉を飲み込む。
フツフツと後悔しながら過ごし、溜まって来たら爆発する。
もう、何十回と聞いたであろう話を40分ほど聞き続けないと収まらない。
家族は面会を避け、スタッフも必要な話しだけをして、足早に離れる。
身体は少し不自由だけど認知症はないため、
見ていて残念で仕方がない。
つい、家族に大切にしてもらっている方と比べてしまう。
もう少し、変わって頂けたらと思うが、絶対に変わらないだろう。
これまでの人生の話を何度も聞くが、相手に対する悪口が多い。
誰かのせいでこんなことになったと言う。
これまでの人生の分かれ道で、
自身で最終決定が出来ないようだ。
入居直後の車椅子購入で私も振り回された。
試すと気に入らない所を指摘され、
別のものを取り寄せるを繰り返し、
最後に決めることがストレスで眠れないから決めて欲しいと 丸投げだ。
でも、
自分でお金を出すのだから、
自分で納得した物を購入して欲しいと最後まで付き合った。
それからは、その方の気持ちをスタッフに話し調整するのも私の仕事になった。
YouTubeでカントリーミュージックを聴くことや皮膚トラブルの軽減、ダイエットは成功したけれど、
いい人生だったと思ってもらうのには程遠い。
せめて、この施設に来てよかったと思ってもらえるよう付き合って行きたいと思う。