検討会の講師資料を作っている際に、
いろいろなことを思い出し、気づいた。
その一つは私が、子供の頃から他人の人生に興味を持っていたということだ。
すっかり忘れていたが実家にいた頃は毎日、
新聞の人生相談と読者の便りのコーナーを楽しみに読んでいた。
今思うに、小学生が離婚や借金、浮気などの相談をよく読んでいたものだ。
しかし、どんな事に人が悩んでいるのか、
そして、相談に対して作家や女優、僧侶などがどう答えるかが面白かった。
入居者の人生の話を仕事だから聞いていると思っていたが、
今回、自分が好きだったからだと気づいてしまった。
訓練をして動作能力を向上させる理学療法士が、何で人生の話を熱心に聞いているのかと思うだろうが、
特養で働く以上はその方の生活を支えるのが仕事だから必要だ。
その方がどういう人生を送ってきて、
何を大切にしてきたか、
家族との関わりはどうだったか、
どういう考えを持っているかなどを知ることが仕事を行う上でとても役に立つ。
特に入居中に徐々に認知症が進んできた入居者に対し、
きっとこの方はこれを選ぶだろう、
こうする方が喜ぶだろうと推測できる。
自慢じゃないが、今の施設の中では私が一番入居者の心を掴んでいると思っている。
特養ではいろいろな経験をしている人が強い。
人生相談を読んでいたのは無駄じゃなかった。