スライディングシートを使いたい入居者がいると言われユニットに向かった。

その入居者でうまく出来るか試した後、その日出勤しているスタッフに指導した。

そして、他のスタッフにも分かるようやり方の動画を撮った。


昔は口で伝えたり、写真を何枚も撮ってプリントしていたが、コロナのおかげで、

各ユニットにタブレットがあり、動画や写真をそのままスタッフに見てもらえる。

本当に便利になったと思う。


ベッドなどへの移乗は硬いプラスチックのスライディングボードを使用するのが一般的で、

シートは寝ている入居者を上や横に移動するのに使うのが一般的だ。

しかし、私はユニットで車椅子とベッドの間の移乗にシートをすすめている。

手間を嫌がり、人海戦術で介護を行なってきたスタッフが多い中では、

シートの方が使いやすくて、受け入れが良いと考えたからだ。


最初は皮膚が弱くて抱えられない入居者をどうしたらいいかと相談され、

スライディングシートを使って滑らす方法を取った。

そして、今は座れるけれど立てない方にも使うようになった。


少しずつだが施設内でのスライディングシートの認知度が上がってきて嬉しい反面、

おそらく、今回もユニット介護士全員がシートを使うことはないだろう。

どうしても、「面倒だし、私は抱えて出来るから」と言う考えを崩しきれない。


私に出来ることは、入居者にも、介護士の腰にもやさしい介助方法をコツコツと伝え続けることだ。