年明けに
義姉が私に母のお手製のものを
譲ってくれました


むかし昔に
母が作ったレース編みの敷物




繊細できっちりと編まれた
その敷物から
母の性格を見ることが出来ます


正確で細かくて真面目な母


このレース編みから
子供の頃からずっと見てきたそんな母を
改めて再確認いたしました


けれど私には
もう一つ別の思いが湧き上がりました


母の生きてきた時間の事です


母は家族のためだけに
生きてきたような人です


自分の好きな場所を持ったり
自分だけの特別な世界を持ったり
自分の好きな人との関わりを持ったり


そんなふうに
自分本位に生きたことは
ほとんど無かったのでは…


母の世界は時に書物の中にあったり
家族のためにする家事の中にあったり
こうした手作りの品の中にあったりします


母のこれまで過ごした
静かな時間を感じます


それを若い頃の私は
詰まらなく思ったこともありました


今は決してそうは思いません


母は静かな時間が好きだったのです
家族のために手を動かすのが
生きがいだったのです


おおよそ
私とは違う性格の母ですが


テーブルに広げたレース編みを
眺めながら


母の生きてきた
丁寧で静かな時間を
素晴らしいな
と思えるようになった自分を感じています