前の記事にも書いたが、先日、患者会で、パワー充電してきた。

患者会の効用、是非についてはいろいろ意見があると思う。
効用が具体的にわからず参加を躊躇している人もいるのでは
ないかしら?

私は、いくつかの患者会に積極的に顔を出している。
いろいろと学ばせてもらったし、元気を与えてもらったと思って
いるからだ。
具体的に、どんな風に?
それについて、独断で考えてみる・・・ ふくろう

                        

私が一番積極的に参加しているのはOVCA、卵巣癌(OVarian
CAncer)患者中心の婦人科癌患者の会である。この会に参加して
自分の病気や治療について、具体的に知識を深められたと思う。
よりよき患者になれた、とでも言おうか・・・

♪ 例えば副作用の事。
私は、抗癌剤による吐き気の副作用が非常にきつかったのだが、
自分の副作用がMAXだということを意識していなかった。30年前に
父が抗癌剤治療を受けた時の嘔吐がすさまじく、それに比べれば
マシだったので、吐き気は仕方ないことだと諦めていたのだ。
患者会で私の症状(2日間は水も飲めない)を話したら、「それ異常!
副作用としてはMAX 」と指摘されてしまった。

それ以来やせ我慢をやめた。おかげで先生や看護師さんも、
より手厚くケアしてくださるようになった。
処方された薬は大して効かなかったけど (ノ_-。)

♪ そして標準治療の事。
 他の多くの癌と同じく、卵巣癌にも標準治療が定められている。
患者会に参加するまでは漠然と、「標準治療」のおかげで、どこの
どの医療施設でも<まったく同じ>治療を受けるのだと誤解
していた。

ところが・・・患者会でお話しを交わしたところ、一人として同じ治療を
受けていない。初発の時期やステージ、組織型が同じ人ですら
少しずつ違う。どうやら、標準治療」というのはあくまで目安で、
それに依拠しつつ、患者一人一人の状況に応じて個々に最適の
治療を施すのが専門医の腕のみせどころらしい、ということが
患者会への参加で初めて理解できた。

♪ 新薬のことなど
みんな自分の命に関わることだから真剣。情報も早い RUNNER
プロ(看護師・薬剤師)も参加しているし・・・
 他の薬のことを知ってどうする、という意見もあるけれど、
再発してしまったときなどに、薬について患者自身が知識が
あるとないとでは大違い。
Dr.に対しても、「何かいいお薬はないですか?」と質問する
のと「〇Xというお薬は使えませんか?」と聞くのでは大違い。
「おっ、患者も勉強しているな」と思うと、先生も説明に力が
入るってぇ~ものです。

♪ 医師に相談しにくいことなど
婦人科癌などは、病巣の場所が場所なので、術後にデリ
ケートな問題がいろいろ発生することがある。
男性医師には相談しにくいことや、相談したところで理解して
もらえないことだってある。そんなときは、先輩患者のお知恵を
借りるほうが往々にして問題解決が早い。
OVCAは、患者本人のみが参加でき、家族の参加はお断り
しているので、デリケートな問題も気兼ねなく相談できる。

聞いたところでは、前立腺癌の患者会で、奥さんの同伴を
認めたところ、デリケートな問題について患者が口を閉ざして
しまったそうである。(><;)
おヘソから下に病巣があるような癌は、できれば患者だけで
本音を語り合える場を確保したい。

♪ 元気な姿を確認しあう
治療を卒業すればどんどん元気になるかと言えば、そんな
ことはない。何やかやと不調が出てくる。
一人でいると、どんどん不安が増幅する。再発の恐怖も頭を
離れない。
 そんなとき、お仲間の元気な姿をみるとなぜかパワーが
湧いてくるのである。先生や周囲の人から、「大丈夫、元気
になるから」といわれるよりも、元気な病友さんの実際の
姿をみるほうが何倍も力がわく。

治療で一番怖いのは孤独。だけど、患者会に出れば、
「私だけじゃない。みんなしなやかに美しく人生を謳歌している」
と確認できる。自然と心も明るくなるのだ。

と、まあ、いろいろ効用を感じたので、患者会には「とりあえず」
顔を出すようにしている。

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勿論、患者会に出て、よい思いだけをするとは限らない。
私の場合、ある婦人科癌の啓蒙キャンペーンで、スポンサーの
米系大手製薬会社の社員が、婦人科癌で子どもを諦めざるを
得なかった人の集団に、ベビーカー3台連ねて参加 ピース
サインで写真をとっているのを目にした。写真のコメントは全くの
遊び感覚。その日は、怒りで震えがとまらなかった・・・

でも、そういう、「患者の気持ち無視」の患者会には二度と参加
しなければよい。また、製薬会社などをスポンサーにつける
場合の問題についても学んだと思えばよい。

こういう経験も無駄にはならない・・・

                        

という訳で、私としては、患者会にはいろいろ学びのきっかけが
あると思う。また、私の場合は、戦う勇気を与えてもらった。
もし、孤独感に苦しんでいる人、参加を迷っている人、
ちょっと元気のない人がいれば“とりあえず”参加してみれば
よいのではないかしら?