CeCeです。






死のうとしたことがある。



正確に言うと

もう生きていくことを

やめようとしただけだった。




死にたいとか

なんかそういう、直接的な感じではなかった。



ふと、手すりから手を離すみたいに

この世界を辞めてしまいたかった。




もう、息さえもしているのがしんどくて。





考えてしまうのが辛かったから。

自分の思考から逃げだしたかったから。




婚約者が車の事故で亡くなり

脳の中でグリーフワークという悲しみの仕分け作業が進むと

思い描いていた未来は

もう二度と来ないことを理解するの。


否が応でもね。







家の中を見渡せば、2人で買ったゼクシィ。



視界に入る

手にとる



もし、その些細な行動を自分がおこせば

もう本が何の役にも立たないことを

認識しないといけない。



それが、つらいの。

拷問みたいに。






もう、いない。

もう、あえない。





事実に直面していく一つ一つが

一日中、繰り返し、繰り返しおこる。





同棲していた新潟の部屋を片づけて

実家に帰る為の引っ越し作業は

身体を少しずつ千切られていくような感覚だった。



荷物を二つに仕分けする為の判断の一つ一つに

何の未来もない。



あの日、干したままの洗濯物を下げる工程...

持ち主が居なくなった洋服を畳む工程...



その動作の一つが、痛みを引きおこした。






冷凍庫に彼が裁いたアジが

丁寧に並べられているのに気がついた時は


「俺さ

学生時代に鮮魚コーナーでバイトしていたからさ

魚を捌くのと、ラップがけは上手いんだよ〜」と

彼の得意げな表情が浮かび

捨てるに捨てられず

一口食べるごとに

嗚咽して泣くしかなかった。


腐ってて、あぁもうダメだねーって

捨てさせてくれた方がずっと楽だったよ。

時間を止めてくれる冷凍って文明の利器を恨んだ。








睡眠さえも、逃げ場にならず

苦しみから逃げられる場所が無かった。



彼が亡くなった日のことを

夢の中で反芻してしまうようなことは常で

二重三重の苦しみに埋れた。



運良く彼との幸せな夢を見られれば

目が覚めた瞬間に

もうそれは絶対にないことを認識して

泣き狂う。





寝ても地獄。

覚めても地獄。




やめたい。

辞めてしまいたい。

生きることを辞めたい。

この頭の中から解放されたい。

辛い。

生きたくない。






人は進みたい生き物だと思う。


進む未来が無くなった時

生きる意味を見失う。




私は、10年前のあの日に

一度、人生を

キッチリ終わらせてしまったのだと思う。



あのベランダで

カラダは飛べなかったけれど

心は、何度も何度も

マンションの下へと叩きつけられた。






今は、おまけ。


 


おまけの人生をすすめているの。




本当は、見れなかった景色

本当は、産めなかった子

本当は、出会えなかった仕事

本当は、知り合えなかった人々







全部、わたしにはおまけ。

 




だからね

喜びにしかならないよ。






いつも、比べるのは

過去の自分。




あの時

息も吸うのがやっとだった私に比べたら

今の自分は

ヨカッタネと、スゴイネしか無い。




人をひがむことも

羨むこともない。



ラクよ。



比べるのはいつも過去の自分。









辛くてたまらない人。

ドン底にいるなって人。





今が、1番つらいはず。




自分を慰めてくれるはずの言葉さえ

ひっくり返って刃に変わったりする。




まず、呼吸をして

とにかく、息を深く吸って吐く。

出来るならば、ゆっくりでいいから

優しい味のものを、じっくりと咀嚼をし

心とカラダのパイプを繋げる作業をしてね。

もう少し頑張れるならば

陽の光を浴びる。

無理だと思えばやめていい。

柔らかいものに包まるのもいい。

触れるだけでも。



人の心は傷つくと

カラダから剥離しようとする。



心の病気は、剥離してきたよと

教えてくれるサイン。



まずはくっつける作業が必要なんだよ。




人に優しく

自分にはもっと優しく。






だいじょうぶだよ。







貴女が戻ってくることを

世界はいつまででも待っていてくれるからね。




CeCe