過去ブログです。

 

2020年8月7日の話。

 

 

始めはこの日よりも前の事。

 

 

左下の奥歯が、

カッパッと一瞬外れました。

 

 

ゆっくりと元に戻しました。

 

 

この瞬間から噛めなくなりました。

 

 

2018年、

癌の再発で咽頭再建手術を受けました。

 

 

手術前の説明では、

飲み込みに障害が残ると。

 

 

実際はリハビリをしたものの、

 

障害が残るとは意味合いが

異なる結果に。

 

飲み込みが出来なくなりました。

 

嚥下障害です。

 

 

同じ手術で舌の一部、

 

左下の奥歯一本分抜いて、

その歯茎も取りました。

 

 

口内の下左側は麻痺が残る事に。

 

 

そんな食事が取れなくなった自分。

 

胃ろうでの栄養補給で生き延びています。

 

 

人生で普通に取っていた食事。

 

この食事が人生から無くなりました。

 

 

たまに味わいたいという気持ちがでるのは普通ですよね。

 

 

そんな時は、

 

麻痺の無い右側で噛んで、

 

味わって、吐きだしたりする事も。

 

 

そうはいっても口も

 

顎関固定の後はリハビリをしましたが、

 

1センチしか開かないので口に入れるものも限られています。

 

 

肉の味を感じたい時には、

薄い生ハムを。

 

 

塩っけが欲しい時には、

昆布的なものを。

 

 

甘味はチョコレートの欠片や、

 

アイスクリームを。

 

 

アイスクリームをちょくちょく入れていて、

残念ながら甘い物が苦手になりましたが・・・

 

 

全て右側で噛んでいました。

 

 

その大事な右側の奥歯が外れてしまった。

 

すでに、

いつのまにか奥から二番目の奥歯は無くなっていました。

 

 

 

この頃は、

左下の犬歯が上顎に刺さったりと、

 

そういう意味でも奥歯は大事です。

 

 

 

2020年8月7日

 

 

大学病院の歯科受診。

 

抗がん剤はなくて、歯科だけの通院。

 

 

なんとかして欲しい一心で。

 

先生に奥歯の事を話して見てもらいました。

 

 

先生の説明は、

 

 

「奥歯は根元が割れて

差し歯が取れている。」

 

「このまま戻しても

すぐに取れ、

治療も難しい。」

 

 

口が開かないから

治療が難しいのです。

 

 

唯一噛めるのが麻痺していない右側で、

 

噛む楽しみを味わっている等を話した。

 

それでも無理であるなら諦めます

 

と伝えた。

 

 

先生は、

 

「最善の治療は出来ませんが、

やれるだけやってみましょうと。」

 

 

レントゲンを撮って、

 

次回以降に対応する事になった。

 

 

右下の差し歯(奥歯)は

外れたまま帰宅した。

 

 

その後の歯科受診で、

 

先生のお陰で差し歯を何とか入れる事が出来た。

 

 

ただし強く噛むと

 

外れる可能性は高いと。

 

 

 

それから2023年10月現在まで、

 

噛む楽しみは失われてしまった。

 

 

今はたまに、

 

舌に置いて塩辛いものを味会う事があるぐらいです。

 

 

それでも最近は何もしていませんね。

 

 

人間なんでも慣れるし、

 

受け入れる物ですね。

 

悲しくも辛くもありません。

 

 

 

ちなみに舌で味わう塩味は、

 

くらこん
塩こんぶ です。

(画像はネットから)
 
しお昆布は購入しても、
 
たまに一本口に入れるだけなので、
9割以上消費できずに賞味期限切れになります。
 
 
今度買い物に行くときに
久しぶりに購入しようかなぁ。
 
 
 
今日も生きててえらいぞ、自分。
 
 
噛めなくなった日々の話でした。