担架で自宅前に泊まっている救急車へ。
救急車内で救急隊員から、
「○○病院(家から一番近い大きな病院)へ連絡します。」
以前癌で闘病中という事で、その病院に断られた事を伝えた。
救急隊員、
「では、△△医療センターに受け入れ可能か連絡します。」
案の定、癌で通院中という事で断られる。
通院中の大学病院へ連絡する事に。
救急隊員さんから、
「受け入れOKでました。」は、
嬉しかった。
逆に、通院中の大学病院がもし受け入れ出来ない時は、どうなるのだろうという不安も浮かんだ。
財布などが入ったカバン、ティッシュボックス、鼻血で鼻呼吸が出来ず、口呼吸のせいで口内がカラカラで、冷蔵後から救急隊員が水も持ってきて貰えた。
救急車はサイレンを鳴らして、大学病院へ走り出す。
道中、救急隊員さんに、鼻を押さえている拳サイズのティッシュが
血に染まっているので、替えましょうと提案される。
鼻の詰め物を交換すると、再度出血しだす可能があると考え、交換を断り、ティッシュを更に使いボールを大きくした。
深夜という事もあり、大分早く大学病院に着いた。
いつもと違う入り口から、緊急救急センターへ。
担架から、処置台へ移動。
鼻血を押さえているティッシュを先生が外す。
鼻から、ビヨーンと血が柔らかく固まった物がぶら下がっている。
時間は2時ぐらい、ようやく止まって来ているよう。
ただし、喉には血がまだ流れている。
救急車を呼ぶまでは、何度も口から血を吸引もしていた。
看護師さんに点滴を取られる。
先生が、鼻の中を吸引。
カメラを入れるので、薬を鼻に噴射。
カメラで鼻の奥を見る先生。
口からカメラを入れても見る。
何度も、何度も先生は確認する。
手元には、口から血を吐いていいように、ステンレスのかごの様な物を渡され、度々、口から血を出す。
先生はPCを見ながら、今の治療状況、過去の治療について質問を受ける。
度々、嘔吐く。
手元のかごに、血の塊を吐く。
先生は、全部出し切ると楽になりますと。
そんなこんなで一時間以上が過ぎた。
先生から衝撃の一言が。
「出血箇所は、鼻じゃなく、喉かもしれない。」
先生に、喉は再建手術を受けているんですが、その辺りですかと聞くと、
「そうかも。」
「今、上位の先生を呼んでいるの待って下さい。」
落ち込んだ。
一機に落ち込んだ。
鼻からの出血じゃない・・・
再建した喉の辺りが切れている?
もしそうなら、以前のように放射線治療の影響で、傷はなかなか塞がらないぞ・・・
しかも、口は1センチしかあかず、どう治療するんだ・・・
このまま長期入院になるのか?
再建した箇所が駄目なら、もう駄目なんじゃないか?
ぐるぐる回り続ける不安。
上位先生がくるまで、一時間ぐらいの間、えずきながら、
ただただ絶望していた。
続きます。