体は、日に日に悪くなっていった。
朝昼晩と、栄養注入薬の投与も辛い。
リクライニングチェアから、立ち上がり、3歩の歩いて薬を取る。
これだけの動きが辛い。
生きる為の栄養と薬。
絶対に必要な物である事は理解している。
動く辛さが、動き出す決断を躊躇させる。
何度も、何度も、動く決断をするが、動けない。
ようやく決断して、立ち上がる。
体は重い。
自分の体じゃないぐらいの重さ。
ゆっくりの動作で、栄養と薬を注入する用意をする。
リクライニングチェアに座り、
胃ろうに、カテーテルを繋ぎ、薬と水分を注入。
二だび、動き出す覚悟を決めて、立ち上がる。
点滴に、エンシュアリキッドを入れる。
リクライニングチェアに座り、栄養を注入を始める。
注入が終われば、
またしても、動き出す決断に時間が掛かり、また立ち上がる。
栄養注入で使用した物品を洗浄し、消毒剤を入れて漬け置きする。
これを朝昼晩行う事がやっとだ。
トイレに行くときも、動き出す決断に時間がかかる。
体を動かす事が、非常に辛い。
心も頭も、辛い一色。
週一の訪問看護で、
「洗浄が足りてない。」と言われても、
返事をする力も無くなっていた・・・
喋る事すらのも辛い。
4月に余命「半年から一年」と言われてから、三か月が過ぎていた。