救急隊員の方々が部屋に。

 

 

目を開けられない自分は、何人の方が来てもらえているのか?も分からない。

 

 

訪問看護の方と話す救急隊員。

 

 

意識があるか確認され、

 

 

持ち上げられて、恐らく担架に乗せられた。

 

 

訪看さんに、「定期薬も持っていきます。」

「定期薬が無いとより体が悪くなる。」と死ぬ気で訴えた。

 

 

副腎皮質ステロイドが体で作れない今、ステロイドの薬を取る事は、自分の生命線だ。

 

 

目が開けられないので、実際に定期薬を持って言ってくれているのか分からず、

返事も分からなかったので、

不安で一杯。

 

 

部屋から、救急車に移動。

 

 

訪看さんから、訪問診療の病院を聞いた救急隊員の方が、

その病院に、受け入れの電話。

 

 

だが、断られた。

 

 

以前高熱が出た去年の12月は、すぐに家に往診に来てもらえた。

 

その時は、ソーシャルワーカーさんから訪問診療の病院への電話だった。

 

救急隊員からの入院要請だと事情が違ったのだろうか?

 

訪問診療の先生に、前回の様に、解熱剤や抗生物質など点滴してもらえれば回復すると考えていたのだが・・・

 

 

 

次は、地域の一番大きい病院へ電話すると。

 

その病院は、2回ほど大学病院でPET検査が受けられない時に、

その病院で、PET検査を受けた事があった。

 

 

逐一、どこに電話しています、次にかける病院はどこですと、

自分にも説明してもらえる。

 

救急隊員の方は、そうやって動かない救急車の状況に不安にならないように対応しているのだろうと思われる。

 

 

自分は、反応したり、返事をしたりは出来ないが、

耳は通常どおりで、聞こえはする。

 

 

死ぬ間際でも、聴力は生きているというが、本当だと思う。

 

 

救急隊員は、

訪看さんから癌に羅漢しており、

大学病院にて、現在も通院で放射治療をしているという話を確認。

 

 

地域の一番大きい病院は、

救急隊員からその話を聞くと、

受け入れ拒否。

 

 

 

通院している大学病院へ電話しますと、救急隊員。

 

 

だが、現在放射線治療もしていない。

事実と異なる情報を訪看さんが話している。

 

 

いつも来ている訪看さんではないので間違う事は、仕方ない。

先ほど、いつもの訪看さんに電話したが繋がらないと言っていたが、その後繋がったのかはよく分からない。

 

 

「放射線治療は現在していません。抗がん剤治療で通院しています。」と

説明する事が出来ない。

説明するタイミングすら無かった。

 

 

だた、放射線治療が抗がん剤治療の通院に変わったとしても、受け入れてもらえたかは分からない。

 

 

40度近い高熱が出ている癌患者。

 

コロナ過の今、受け入れのハードルは高いのだろう・・・

 

 

救急隊員は、「通院している○○大学病院に電話します。」と。

 

 

総務省消防庁は、患者の搬送先が決まるまでに病院への照会が4回以上あったケースなどを「搬送が困難な事例」としている。

搬送困難の事だ。

 

 

 

次の大学病院で、三件目。

 

 

大学病院では、コロナ患者を診ている。

長期入院経験もあるし、

今も通院している大学病院への入院が一番安心できる。

 

 

受け入れてもらえる事を願うしか出来なかった。

 

 

 

大学病院へ連絡の最中、

異常に口内が渇いた。

 

 

朝の水分補強しかしておらず、お昼の水分補強をしておらず、

高熱が出て、下痢をして、脱水症状になっていたよう。

 

 

救急車の中で、救急隊員さんに

「水が飲みたい」と伝えた。

 

 

救急隊員さんは、「すいません。救急車の中に飲み物はありません。」と。

 

 

「家の中から持ってきてもらえませんか?」とわがままな事を伝えた。

 

 

それくらい口内が渇いて仕方なかった。

放射線治療の後遺症で、唾が出ない事を伝えたら、家から水のペットボトルを持ってきてくれた。

 

 

水を口からごくごくと飲めず、少し含む程度しか出来ないので、

脱水症状から復活する事は無かったが、口内を潤す事が出来るのは助かった。

 

 

水を口に含めながら、痛むお腹を押さえながら、

救急隊員さんの沢山の質問に答えていた。

 

 

体調が悪くなった状況について。

 

癌治療を始めた時期、どこの場所の癌か?

 

大学病院での入院の期間など。

 

喋る度に、口内が渇き、口に水を含むを繰り返していた。

 

 

 

救急隊員さんから、

「○○大学病院に受け入れが決まりました。今から向かいます。」

 

 

その言葉に安堵した。

 

 

早く、解熱剤を貰い、40度近い熱を下げてもらいたかったのが本音だった。

 

 

救急車は、サイレンを流しながら走り出した。

 

 

 

続きます。