食事が出来なくなって3年半。
口が寂しい。
味が欲しい時がある。
そんな時は、スープを飲む。
流動食だ。
スープにしても、飲める量が非常に少ないので、
滅多に飲むことはない。
そのスープにトウモロコシが入っていた。
固形物は嚥下出来ないので、普段は避ける。
放射線治療と手術で顎の骨を割って、歯はかなり弱くなり、沢山抜けた。
なので、普段は噛まずに吐き出すのだが、自然と一粒噛んでいた。
噛まれて潰れたトウモロコシから、トウモロコシの味が。
至極当然の事を書いていますが。
いつぶりか分からないトウモロコシの味が、凄く美味しかった。
トウモロコシのうま味の記憶が呼び起された。
兎に角美味しかった。
噛んで味わうのは格別だった。
歯が悪いのに、その後2,3回繰り返した。
一粒づつ食べたトウモロコシのうま味に、幸せを感じた。
噛んだ後のトウモロコシは、口から出しでごみ箱へ行きました。