介護保険の認定調査員が来た。

 

 

通常は自宅に来るそうだが、

自分の場合は、入院している部屋に。

 

 

事態の動くスピードに本人はついて行けていない。

 

 

でも本当は、感謝しなければいけない事だらけだ。

 

 

本人がなんら手続きする事なく、

在宅医療の環境を作ろうとしてもらえている事を。

 

調査員の方も、大学病院まで出張している事も。

 

主治医が素早く意見書を書いてくれていたであろう事も。

 

 

当時は、その様な事になんら頭が回る事は無かった。

 

 

再々発し、余命宣告されて、

自分の視野は「ギュ~~」と狭くなっていた。

 

目の前の事しか見えていない。

 

暗闇で懐中電灯をつけて歩いているようでもあった。

 

 

調査は、質問に口頭で答える形。

 

 「実際にやってもらう事はありませんので」との事。

 

 

質問は、「片足で立ったままの状態でいれますか?」と

 

 

片足で立ったままでいる事は実際出来ないが、出来ると言いたい気持ちにもなった。

 

出来ませんと答えましたが、それぐらい出来ますと言いたくなる。

 

 

アラフォーにして、介護保険を受ける現実を受け止められていなかった。

 

 

質問は、爪を自分で切れるか?服を着れるか?脱げるか?

というような質問が続き、終わった。

 

 

調査結果と主治医意見書によって、要支援もしくは要介護が決まる。

 

要介護状態区分が決まる。

 

 

要介護状態区分がどうなるか?

介護保険が使えるのか?

 

 

この時、それらの事は、一切考えていなった。

 

 

自分の視野は、目の前しか見えていなかった・・・