入院期間も、三か月を過ぎていた。
大学病院での入院も、4回目。
気心の知れた看護師さんも、流石に出来ていた。
先生には言えない「些細な事」も言えたりした。
どのような些細な事かというと、
「24時間ずっと刺さっている点滴の針の痛さ」
経鼻胃管は、2度目という事もあるし、
もう気にならなくなってくる。
テープを止めている頬のかぶれはあったが・・・
点滴が痛いなんて、先生には言えない。
必要だからしている医療行為なのは重々承知だしね。
点滴で、
メインに入れていたのが、
「ビーフリード」栄養点滴だった。
経鼻胃管と点滴で、栄養を取る事が塞がらない傷に対する治療でもあった。
だが、
この「ビーフリード」には、血管痛があった。
自分の場合は、まあまあ痛かった。
1,2週間の我慢ならいいが、もう三か月以上だった。
痛みについて、看護師さんと伝えると、
温めて痛みを押さえてくれるアイテムを持ってきてくれていた。
その事自体は、看護師さん達の想定の範囲内だろう。
お世話になっておいて言う事ではないが・・・
腕を少し動かすだけでも、痛むのでストレスで、
起きている時間は、ずっとストレスに感じていた。
その事を解決してほしいわけでもなく、
看護師さんに話をした。
話をしたと言っても、会話の一部の事だった。
すると、なんと看護師さんが先生と交渉してくれて、
経鼻胃管での栄養補給のみで良くなったのだ。
点滴が外れる事になったのだ。
点滴が外れた解放感は、凄まじかった。
失礼な話だが、
まさか、患者が痛む問題を解決する為に
先生と話し合ってくれるなんて思っても居なかった。
看護師さんの中には、忙しくてイライラを
患者にぶつけるかのような人もいる。
この頃も、夜のバイタルチェックで、
38度以上の熱が出ていても、何の処置もなしも多々あった。
その看護師さんは、いつもニコニコしていて、
かつ、処置なども丁寧な人だった。
結構な確率で、自分のいう事よりも、
血液検査の数値しか見ない先生もいる。
その事もあり、点滴の痛みを言おうなんて思っていなかった。
その看護師さんの凄い所は、
そんな患者の心を開かせて、かつ解決の為に動いている事。
人としても、尊敬できる看護師さんだ。
コロナで挨拶も出来ないが、今も大学病院にいるのかなぁ。
恐らく、別の科に移動しているのかなぁとも思う。
今も、心に残っている看護師さんのひとりです。