この日、3か月近く続いた気管切開が終わった。
スピーチカニューレに変えてから、僅か五日。
そのカニューレを、この日抜いた。
スポッとカニューレを取ると、その傷跡は、縫ったりしなかった。
自然と傷は、塞がるとの事だった。
縦に、綺麗に切っているからなのか、放射線治療の影響は少ないらしい。
実際、数日後には、塞がって行った。
喉にカニューレが刺さってない。
喉に違和感が無い。
当たり前の事だが、とても、素敵な事だ。
不自然な状態も、長く続くとそれが通常になってしまう。
体に付いている異物が一つ外れた、
残りは、経鼻胃管と点滴はまだ付いているのみだ。
そして、この頃から退院の話も出てきた。
経鼻胃管が付いた状況での退院の話には違和感があったが、
恐らく、前回(最初の化学放射線治療時)のように転院するのかなぁと考えていた。