植皮手術の日になった。
遊離植皮(切り取る側の皮膚)は、分層植皮に決まった。
薄く皮膚を取るようになった事は嬉しい事だ。
移植する場所が多く、太もも、顎、首と。
なので、薄く取った皮膚を、メッシュ状のして、沢山使用する事に。
遊離植皮のサイズは、幅4センチ、長さ10センチ。
手術時間は、2時間を予定していた。
今までに比べて、とても短い時間だ。
夕方5時からの手術。
看護師さん達に励まされながら、車椅子で手術室へ。
1月9日に入院してから、もう5回目の手術。
三か月に満たない間に、全身麻酔による手術を5回。
癌治療で入院したが、恐るべき手術回数だ。
たしか、1回手術を受ける為に入院したのだが・・・・
慣れたように、小さい手術台の上に乗る。
看護師さんや先生達が挨拶を交わす。
いつものように、いつの間にか意識を失った。
「○○さん、○○さん、手術は終わりましたよ。」との声。
意識を取り戻すと、痛みが凄い。
目が見えないのか、目を開けられないのか分からないのだが、
真っ白な世界にいるようだった。
ここが、ストレッチャーでの移動中なのか、個室のベットの上なのかも分からない・・・
兎に角、痛みが痛みが、物凄い。
筆談がしたいと、見えないなかで、手でジェスチャーする。
母親が、渡してくれたマジックと紙に、見えないが
「いたい」とだけ書いた。
キチンと書けたか分からなかったが、母親が誰かに伝えてくれた。
痛み止めの点滴が用意されて、
薬が入ってくると、痛みは、「スーーー」と消えて行った。
そして、そのまま意識を失った・・・・