先日の顔に引き続き、術後の太ももを見た。
右足の太ももは、咽頭の再建手術に使われている。
筋肉と血管を取って、咽頭の代わりとなっている。
重症個室でも、通常の個室でも、常に太ももは覆われている。
毎日行われている、首と太ももの洗浄処置。
その時、首は大丈夫なのだが、太ももの洗浄は痛かった。
横になって、行われている洗浄処置時も、太ももを見る事は無かった。
入院から一か月半以上たったこの頃、遂に下半身のシャワーが許された。
太ももをこの時初めて見ることになった。
術後の傷の長さは、膝小僧の辺りから、足の付け根まで。
想像以上の長さだった。
「こんなにも、切らないといけないんだ」と今更ながら思った。
術後感染症の治療で、縫っていたのをはずしているので、
傷は、ぱっかりと開いていた。
膝小僧の辺りと、足の付け根の辺りは、ほぼ傷が開いていないが、
太ももの真ん中辺りが、一番開いている。
幅は、5センチぐらいあった。
皮膚が無くて、実が見えている状況が、恐ろしかった。
立って、シャワーを浴びるまで、体力は回復していない為、
椅子に座ってのシャワー。
太ももの傷も、シャワーで洗うように言われていたが、
余りに怖いので、傷の周りに、シャワーを流して終わった。
開いたままの傷を初めて感じたのは、「これは大丈夫なのか?」だった。
下半身だけだが、シャワーを浴びれて嬉しいなんて感情は無かった。
ちなみに、シャワーの後は、体力が尽きて、へとへとになった。