重症個室にも、鏡があったが、怖すぎて見なかった。
顎を割って、咽頭摘出、両リンパ節郭清などの手術。
その術後の顔や首を見る事が恐ろしかった。
重症個室内の簡易トイレの鏡を見ないように、顔をそむけていてた。
通常の個室に移って、三日目。
引き続き、鏡を見ないようにしていたが、
トイレの後に、鏡の前で何故か、この時覚悟が決まった。
いつかは見て、ショックを受けないといけないと。
そして鏡に映った自分の姿を初めて見た。
そのに立っていたのは、化け物のような自分だった。
顔の下半身が、2倍以上になっている。
顎から首の区別がつかないぐらいになっていた。
リンパ浮腫もしているのだろう顔。
何度も手術しているし、最初の手術から一か月以上経っている。
もっと、酷い顔を見なくて良かったかも知れない。
良く、毎日お見舞いに来てくれている両親親戚に、
「腫れが大分引いてきた。」と言われたいたが、
一か月以上、鏡を見ていなかったので、本人は全く分かっていなかった。
ビビりな自分らしい話だと思う。
そして、本当に自分の顔に驚く事になるのは、腫れが引いた後の話だった・・・・