前回のブログで、他の重病個室からの声が聞こえだしたと書きました。

 

もう一つ聞こえるようになった声があります。

 

それは、隣の重症個室から聞こえてくる声。

 

聞こえるというよりも、耳元で大声で話しているような感じ。

 

看護師さんと話している声が聞こえました。

 

正直うるさいぐらいでした。

 

耳が悪いお爺さんだろうなとは、考えていました。

 

 

ある時、看護師さんに、筆談で聞きました。

 「隣の方は、声が大きい。」

 「何歳ですか?」

 

看護師は、

 「声がおおきですよね。扉もないし。」

 「年は、92歳ですよ。」

 「看護師の間で、可愛いと話題ですよ。」

 

想像以上の年齢に驚いた。

 

92歳で、手術を受けるという事は、手術を受ける体力があるという事。

それは、とても凄い事だし、声だけだが元気そうなのも凄い事。

 

声が大きくて、人気者のお爺さんは、

数日後には、リハビリ病院へと転院していった。

 

重病個室で、隣に人がいると感じる事が出来たのは、

お爺さんが最初で、最後にだった。