栄養注入は、胃ろう。
半固形ラコールを一食として、2パック入れている。
20時前
夜、1パック入れ終わった時、お腹に痛みを感じた。
往診の先生に、「お腹が痛い時は、注入しないように」と言われているので、
2パック目を入れるのを、とりあえず、10分中断してからにしようと手を止めた。
5分も経たずに、そのままトイレに、腹痛はあったが、通常の便が出て安心した。
腹痛が激しくなる前に、排便出来て良かった。
でも2パック目は止める事にした。
まだお腹に胃ろうのチューブが付いたままで、フラッシュで水を通していない。
徐々にまたお腹が痛んできて、トイレに駆け込んだ。
「痛い お腹が痛い。」
排便の途中だが、座ってられないぐらい痛い。
床に、便をまき散らす訳にはいかないという思いで排便し、お尻を拭いて、
トイレを出て、直ぐに床に倒れこんだ。
「ギューと千切れそうな痛み」だ。
癌が分かる数ヶ月までから、今までに、何度かあるタイプの痛み。
それ以前の腹痛よりも、大分痛いやつだ・・・・
訪問看護の方々に、今まで何か症状がある時に電話しなくて注意された事を思い出して、
横になったまま、訪看の緊急連絡先に電話した。
「お腹が痛いです。」と目を開けられない状態で話した。
電話に出た訪看さんが、「○○さんの担当に一度連絡をいれてから折り返します」と。
痛みが少し治まって来たので、椅子に座ってお腹を温めていたら、
訪看さんから再度電話、少し落ち着いた事を伝えた、
「往診の先生にも連絡しています、様子を見ましょう」との事。
胃ろうでの注入の終わりには、水を通さないといけないが、それもする力が出ない。
胃ろうのチューブを洗浄する力が無いので、チューブは外して捨てた。
半固形ラコールに繋げている「黄色いキャップ」も捨てた。
しばらくして、再度お腹が痛んできた。
トイレに駆け込んだ。
激しい腹痛が襲ってきたが、排便の最後が下痢で、全部で切った感がした。
これで、治まるんじゃないかと期待した。
座っていると、また痛みが治まって来た。
今の内にと、胃ろうに水を通そうと、キッチンへ数歩ほど歩くと、
またしても激しい腹痛が襲ってきた、少し動いたことで痛みだしてきた・・・
胃ろうに半固形ラコールが詰まったら嫌なので、踏ん張って水を通した。
また椅子に座って我慢していたが、また痛みが激しくなってきたので、トイレに移動した。
トイレに行く途中に、部屋の扉の前で、気を失いそうになった。
倒れては駄目だと意識するなか、何故かその場をグルグルと回っている途中で、
意識が戻って、トイレに行けた。
トイレでは、お腹が千切れそうな痛みで、座っていられないが、
汗をかきながら、なんとか踏ん張って、下痢を出せた。
トイレを流す事もできずに、直ぐ横の廊下に横たわった。
もうそのまま、横になった状態で、漏らしてもいいと思いパンツを上げないままでいた。
激しい痛みで限界だった。
そのまま目も開けられない状態で、再度訪看に「限界です。」と連絡した。
痛みが10点満点中10点になっていた。
「救急車を自分で呼べますか、それとも行きましょうか」
と聞かれて、
救急車で移動されるのが嫌な事もあり、「来てください」と頼んだ。
廊下で横たわった状態で、暫くいたら、
電話が鳴った「家の前に来ています。何号室ですか?」
何号室か伝え電話が切れる、再度電話がなり「鍵を開けて下さい」と言わる。
立ち上がる事が出来なかったが、トイレ横の玄関に寝そべっていたので、
這って玄関のカギの前まで行き、手をの伸ばして鍵を開け、又横になった。
初めましての訪看さん。
横たわる時に、メガネを外しているし、痛みで目も開けられないので、顔は分からない。
「往診の先生にも、連絡していますが、現状何もする事ができないそうです。」との事だった。
ベットに移動できない、かつ寒いと伝えると、毛布を取ってきて掛けてくれた。
訪看さんからすると、暖房が付いており、部屋は暖かいと。
そのままの状態で、熱を測ってもらう。
熱はない。
次第に、痛みが治まって来た。痛みが5点ぐらいになった。
ベットに移動した。
水と携帯をそばに置いてもらった。
その状態で、血圧を測る。上が80台で、何時も低いかと聞かれて90台ぐらいですと答える。
訪看さんが、その場で、往診の先生に電話をかけると、
なんと、往診の先生がもうすぐ家に着くころだという事だった。
ベットで、布団に包まっているいると、痛みが2点ぐらいまで治まって来た。
電話が終わってから直ぐに、先生が来てくれた。
訪看さんと往診の先生が、現状を話し合う。
痛みが10点満点中の2点ぐらいまで、治まって来た事を伝える。
先生は、恐らくウイルス性の腸炎だろうと、
治まって来たのであればそのまま安静にした方がいいとの事。
痛みが治まって来ており、ベットに移動でき、
訪看さんと往診の先生が来てくれた事に安心もしていた。
往診の先生は、普段「何かあったら電話して下さい」が口癖だった。
まさか、来てくださいと頼んでいない状態で、急いで来てくれた事実も嬉しかった。
先生は、心配できたと言ってくれた。
往診の先生と訪看さんに、遅い時間に申し訳ないですと謝罪し、
戻ってもらって大丈夫ですと伝えた。
先生は、明日は、「胃ろうでの注入は禁止。朝昼夜の定期薬だけ入れて下さい。」と。
また異変が、出たらすぐに電話するように往診の先生と訪看さんに言われた後に、
二人は部屋を出て行った。
時間は、23時30分ぐらいになっていた。
3時間半ぐらい腹痛と戦っていた。
そのまま、お腹の痛みを抱えながら、うっすら、うっすらと寝る事が出来た。