先年、大黒は丁度御縁年に当たる月山を極めた。
その中身は、『大山行記』で。
そのご加護であろう、ついに念願の子が宿ることに。
そうなったからには早急に御礼に参らねばならないが、なにしろ、中腹のスキー場が4月にならないと開業できないほど雪が積もる山である。
また、状況が良いとしても、身重の妻を2000m級の山に登らせるわけにはいかない。
これは夏を待って大黒が単独にて御山へ向かうほかあるまいと思っていたが、ここで、出羽三山神社という「救いの手」を知る。
それは、車両による進入も容易なこの神社を詣でれば、出羽三山の神社を全て詣でたことになるという有難いものであった。
国宝五重塔で有名だが、大黒はこれが初めての参詣となる。
正規の入口である鳥居より行きたいところであったが、本殿までは距離にして2000m、高低差150m。
これも無理と判断し、素直に車で山頂本社まで進む。
それでも、心地よい杉木立の中をある程度は下まで行ってみた。
この続きは、子がそれなりになってから。
世間一般に比べれば、多少なりとも寺社仏閣にはそれなりの学と興味を持って相対してきたと自負する大黒である。
その我をして、これほどの社が、これほどの身近に存在していようとは、思いもよらなかった。
巨大な社に圧倒されつつ、参拝。
これほど力強い狛犬も、初めて見る。妻にちなみ、「つよポン」と名づける。
ポン→つよポン→メガポン→ポメラギオン なんと四段進化
たまたま祈祷を行っていなかったために社殿への入内を許されたため、さらに中で参拝。
実に高い満足度を得、帰還する。
参詣途中、参道の谷底にて、非常に良き心地となる社を見る。
他に比べれば小さな社であるが、なにやら心惹かれるところがあって詣でたところ、丁度入口に小さな蛇が。
ほう、と見ているうちに、社の中へと消えていった。
失礼にあたるかと思い、写真は撮らず。おそらく青大将であろう。
辰年、金冠日食の日、気に入った社に消える蛇。
それらが受胎の御礼参りの日に重なる。
何かを期待せずにはいられない。
月山の神へは、これで済ますわけにはいくまい。




