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夢の様な給料日から1ヶ月も経たないある日、思いがけない知らせが…


中学生になった兄が、、、
『あのな、実は部活せなあかんねん…』

『うん、ほんで?』

『帰って来るんが遅くなるねん…』

『ほんで?』

『配達の時間に間に合わんねん…』

『………』

暫くの静寂。

頭をフル回転させて状況を整理する。

部活が始まる➡︎帰りが遅くなる➡︎配達時間に間に合わない➡︎新聞が配れない➡︎誰が配る➡︎俺➡︎1人ぼっち…

おいおい、マジか⁉︎

いやいや、ちょっと待ってよ。

出来るのか?

出来る出来ないかの問題か?

雇って貰ったのに2ヶ月足らずで辞めれるか?



もう、自転車が欲しいとかの問題じゃ無くてさ、子供なのに雇ってくれたおじさんや心配しながらも見守ってくれた両親や、何より子供なりのプライドがあった。

辞める訳にはいかないと決めるのに時間はかからなかった。というか、選択肢はなかった様に思う。

子供なりの純粋さだったのだろう。
テレビで見ているアニメのヒーローや、ドラマの主人公と重ね合わせる純粋さだ。
深く考えるのではなく、そういったものに重ね合わせて自分を役に仕立て上げたのだろう。

『分かった。僕、1人でも行けるで。頑張るわ。』

大した覚悟も無いのにそう言っていた。

ただ、新聞配達を始める時の不安を乗り越えたという経験が少なからず自信になっていた。

やってみれば、どうって事は無い。

少しだが、そう思える様になっていた。




そして、1人ぼっちの新聞少年の時間が過ぎて行った。

始めて3ヶ月後には目標の金額を貯めて、欲しかった水色の自転車と兄の緑色の自転車を買った。

ピカピカの新しい自転車が2台、家に届いた時の達成感は忘れられない。

今、思い返せば欲しい物を手に入れた事は良い思い出だ。

でも、それ以上に挑戦した事に意味があったと思う。

子供なりに色んな経験した。

自転車に新聞を積んで走っていると、同じ年くらいの女の子達に見られて恥ずかしい思いをした事、冬の雨の日に震えながら配達した事、配達中に車にぶつかりそうになり怖そうなおっさんに怒られ不安になった事…イヤな思い出。鮮明に記憶されている。


でもね、それ以上にいつも声を掛けてくれた読売新聞のおじさんとの出会い、模範新聞少年として毎日新聞主催の春の甲子園に招待してもらいその後にホテルで表彰して貰った事、お菓子をくれるお婆さん、そして何より子供の僕を我慢強く見守って、経験という財産を与えてくれた販売店のおじさんとおばさんとの出逢い。

凄い財産になっている。

小学校を卒業するまでの2年間、お世話になりました。

ホント、色んな事があり色んな事を感じました。

このブログを書き始めた時は、自分に対して記録しておこう位にしか思っていなかった。

でも、書き進めて行くうちに若い方々に少しでもメッセージを送れたらイイなって思う様になっていた。

不安や未体験な環境、しんどい事、新しい人間関係にチャレンジして欲しい。
そんな時代じゃ無いって思う人もいるだろう。でも、何かひとつ無理なチャレンジをして欲しい。

自分の成し遂げた事でしか自信は持てない。いくら沢山の情報を持っていてもそれは頭で理解しているだけ。
温度や匂い、季節感、人から伝わる感情、手で触ってわかる感触、状況によって変わる心の動きなど、それらを体験して何とか乗り越える事で自信になりチャレンジする心が育つと思う。

物質的な満足はすぐに終わる。
しかし、出逢いや経験から得られる喜びや思い出はずっと続き、本当の意味での人生の財産になる。

この年齢になりそれがやっと分かった様な気がします。



この話は今回で終わります。


文章の組み立てや表現が未熟であった事、お許し下さい。

もし、読み続けて頂いた方がいらっしゃったら有難うございました。


何かほんの小さな事でも感じて頂けたら幸いです。

終わり…