珈琲 煙草 雨 自転車 黒髪 爪
私は生きている

ミルクを頂戴な、
砂糖は結構

私は簡単に死ねる
簡単に死んでしまう
それでも生きている限り死なない
明日死ぬかもしれない
忘れてはいけない

夕焼 朝日 グミ 血管 胃薬 窓
私は生きている

ミルクを頂戴な、
砂糖は結構

私は簡単に死ねる
簡単に死んでしまう
それでも生きている限り死なない
明日死ぬかもしれない
忘れてはいけない
死ぬかもしれない
生きられないかもしれない
忘れてはいけない
今を生きることを
今生きていることを
忘れてはいけない

ジリジリと聴こえる 遠くでライオンと一緒に死んだ男の歌が流れてる 光は何のためにある
14歳は子供か その孤独はもう分からない
ただ死ぬだけの物語は作るな アダムはいつ死んだんだ 嘘だそんなの ずっと生きている

ライターを掴んでそのまま低空飛行
そうすりゃパラダイス
好きな場所に行ける
好きなときに死ねる
誰だって愛せる

ザンザンと聴こえる 隣の家のテレビ今日の殺人ニュースが流れてる 音は何処へいくのだろう
14歳は子供か その憂鬱はもう分からない
ただ死ぬだけの物語は作るな イヴはいつ死んだんだ 嘘だずっと生まれるの待っている

ライターを掴んで吸殻にダイブさよなら
そうすりゃパラダイス
好きな場所に行ける
好きなときに死ねる
誰だって愛せる

神になろうとした男は 本当は息子を愛したかった ただそれだけだった


意識があるまま死んだことあるか
脳味噌の裏が白くなる 白い世界が右上に吸い込まれる
血が温く くすぐったい 怖くはない
添えられた手すら滑稽だ 面白い

気持ち良いのは嘘だろ?
壁が右上に消える 次も白い世界
こんな最高なら 何も問題はない

意識のあるまま死んだことあるか

夢の中なら幸せだ
そこで私は一番綺麗な女だから
あの人とだって同じ部屋にいられる
そして私は一番大切にされるのだ
あの人に火をつけることだってできる
そして私は何もかもを手に入れられる
あの人に従うことも噛み付くこともできる

私は醜いかしら
婆は言ったわ 煙草を吸う女なんてはしたないとね
でもそれが唯一の、唯一の分かっている場所
餌をやらず集まる鯉を笑う子らの何と残酷なことか
散々に煽て芸をさせ知らぬ振りして退散すること何と卑しいことか

嗚呼 お前の顔はどれだい
何だ皆同じ顔じゃないか
綱渡りしてるのよ
いつだって私は綱渡り
怖くなんてないし危なくもないの
羨ましいでしょ私のことが

戦場で枯れた花を見た
あれは確かに紅い花だった
憶えているのはそれだけ

壊したくなるのよ
いつだって時計は持っていない
不安なんてないし寂しくもないの
羨ましいでしょ私のことが

駅前で煙草を落とした
それは確かに鉄の音だった
聞こえていたのは花だけ

私のことを蔑んでいるその目、濁っているわよ

戦場で枯れた花を見た
それは確かにリリィの手だった
憶えているのはそれだけ

つまらないの?
剥げ掛けのマニキュアに
お前の気持ちが詰まっているようで 苦しくなるよ
その爪先でここを掻き切ってくれよ
煙草を止めたのは何故
黒い指が挟む白い管がお前だった

煙草を止めたのは何故
鯉 死ね
鯉 死ね
鯉 シネ
鯉 死ね

餌に群がる 鯉 死ね
騙されるなよ 鯉 死ね

お前が何を喰おうと 俺には関係ないけどさ
お前が何をしようと 俺には関係ないけどさ
ただ、その、まあるい心臓だけは 売り切らないでくれよ

鯉 死ね
鯉 死ね
鯉 シネ
恋 死ね

餌を求める 鯉 死ね
騙されている 鯉 死ね

お前がどこにいようと 俺には関係ないけどさ
お前が誰を愛そうと 俺は酒を飲み干すだけ
ただ、あの、四角い瞳が腐って行くのが見えるのさ

恋 死ね
恋 死ね
恋 シネ
恋 しいね

俺はお前が恋しいね
癪に障るのよ
大声で叫んで 髪を掻き毟る仕草をする
彼女は なんて 可哀想なんだろう

ごめん ごめんね

あんたなんか死ねばいいのに
呟くようにガムを噛む 精一杯の皮肉を込めて
彼女は なんて 可哀想なんだろう

ごめん ごめんね

大嫌いな女
そこそこ容姿はいい女
我儘で強情な女
料理は得意じゃない

大嫌いなお前
そこそこ容姿はいいお前
我儘で強情なお前
玉ねぎ切ってる俺
多分 あの子は もう 目が見えなくなってる
知らないうちに あの子は 何も見えなくなった
白く濁った瞳をごろごろさせながら 透明な敵と対峙している
悔しいな
悔しいな
悔しいな